教育研究所の付近で見られる「虫こぶ」を探してみた。植物に何か変な「こぶ」ができていたら、観察してみよう~。
「虫こぶ」は、虫えいとも呼ばれる。英語では、gall(ゴール)。植物の芽や花、葉や茎などが異常に膨れたりしてできた、こぶ状の突起のこと。
タマバエ類・タマバチ類・アブラムシ類・キジラミ類などの昆虫やダニや線虫など「虫こぶの形成者」が寄生して形成される。虫の幼虫が中で育つための「揺りかご」や「栄養分」でもある。
種類によって独特の形状になるため、「虫こぶ」自体にも呼び名が付いていて、「~フシ」と呼ばれたりする。
<参考>
『日本原色 虫えい図鑑』全国農村教育協会 (1996)
『虫こぶハンドブック』文一総合出版 (2003)
『虫こぶ入門 増補版: 虫えい・菌えいの見かた・楽しみかた』八坂書房 (2007)
▼エノキの葉にできた虫こぶ(1)
形成者は、エノキトガリタマバエ。4月末~初夏にエノキの新しい枝葉上に擬宝珠(ぎぼし)型の虫こぶを形成する。内部でタマバエ幼虫が育ち、虫こぶごと地上に落ちて、そのまま夏~冬を幼虫で過ごし、3~4月に羽化するそうだ。
虫こぶの内部。タマバエの幼虫がいた!
▼エノキの葉にできた虫こぶ(2)
形成者は、エノキカイガラキジラミ。エノキの新しい葉上に角状の虫こぶを形成する。
▼ケヤキの葉にできた虫こぶ
形成者は、ケヤキヒトスジワタムシ。春ケヤキの新しい葉上に袋状の虫こぶを形成する。