2025年7月7日、猛暑の中、大阪・関西万博を見物してきました。もちろん、自然史ネタを仕入れることも目的のひとつです。(奈良県内ではありませんが、都市公園の自然史ということで記録しておきます)
さて、大阪万博のテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン」です。その象徴として「大屋根リング」や会場の中心にある「静けさの森」が作られています。
大屋根リングの上には、芝地や花壇が作られていて、セイヨウノコギリソウ(キク科)、ムラサキウンラン (オオバコ科)、ハクチョウソウ(アカバナ科)などの園芸種が花を付けていました。
「静けさの森」は2023年12月5日に植栽工事が開始されて整備された人工の緑地です。万博記念公園や大阪府内の服部緑地、久宝寺緑地、大泉緑地、 鶴見緑地、大阪城公園等から間伐予定の樹木を移植し、森を再構成したとのことです。(よくこの短期間で森を作ったなと感心してしまいます。万博終了後、この緑地はどうなるのだろう)
「静けさの森」には、クヌギ、コナラ、アラカシ、イロハモミジ、エゴノキ、ヤブツバキなどが移植され、約1500本の樹木を個体管理しているそうだ。また林床には里山の植物が植えられています。
意図的に植えられている野草は、オカトラノオ、ウツボグサ、キキョウ、オミナエシ、カワラナデシコ、ヨメナ、コマツナギ、ヤブカンゾウ、ノアザミ、ワレモコウ、オニユリ、ミソハギ、ホタルブクロ、フジバカマなど、花の目立つ野草が選ばれ植えられていました。歩道沿いには、オオバコやシロツメクサ、ヘビイチゴやオへビイチゴなんかも植栽されていました。デザインされた方のこだわりを感じる部分でした。
キキョウ(植栽)
カワラナデシコ(植栽)
ミソハギとオミナエシ(植栽)
オニユリ(植栽)
歩けた範囲内ですが、意図的に植栽された以外の勝手生えした「雑草」達を記録してみました。(この時期なので、花や穂がなくて同定できない雑草も多いので、ぱっと見て種類の分かったものに限りますが、そこはご勘弁) 観察場所は、大屋根リングの植栽地や「静けさの森」、「いのちの森の島」、会場内の植え込みなど。
万博会場で、人ごみの喧騒に疲れたら、小さな雑草の花を探してみるのもいいかもしれません。
写真は、万博会場の植え込みの芝地に生えた小さなキノコ(キコガサタケ)。
短期間で作られた人工の緑地で息づく「いのちの輝き」をもっと多くの来場者に見てほしいですね。
大阪万博会場で見かけた野草など(2025年7月7日、科別・順不同)
(アオイ科)イチビ
(アカザ科)シロザ
(アカネ科)ホソバヨツバムグラ?
(アカバナ科)コマツヨイグサ
(アカバナ科)ヒルザキツキミソウ
(アカバナ科)メマツヨイグサ
(アゼナ科)アゼナ
(アブラナ科)マメグンバイナズナ
(イグサ科 )クサイ
(イネ科)アキノエノコログサ
(イネ科)エノコログサ
(イネ科)オオエノコログサ
(イネ科)オヒシバ
(イネ科)メヒシバ
(オオバコ科)アメリカアワゴケ?
(カタバミ科)オッタチカタバミ
(カヤツリグサ科)メリケンガヤツリ
(キキョウ科)ヒナキキョウソウ
(キク科)アキノノゲシ
(キク科)オオアレチノギク
(キク科)オニタビラコ(青鬼)
(キク科)オニノゲシ
(キク科)コウゾリナ
(キク科)コセンダングサ
(キク科)セイタカアワダチソウ
(キク科)セイタカハハコグサ
(キク科)タンポポ類(セイヨウタンポポ雑種)
(キク科)チチコグサモドキ
(キク科)チチコグサ類
(キク科)トゲチシャ
(キク科)ナルトサワギク
(キク科)ノゲシ
(キク科)ノボロギク
(キク科)ハキダメギク
(キク科)ハハコグサ?
(キク科)ヒメジョオン
(キク科)ヒメムカシヨモギ
(キク科)ヨモギ
(キンポウゲ科)キツネノボタン
(クマツヅラ科)アレチハナガサ?
(クワ科)クワクサ
(シソ科)シソ(青ジソ)
(シソ科)トウバナ
(スミレ科)スミレ
(タデ科)イヌタデ
(タデ科)オオイヌタデ
(ツヅラフジ科)アオツヅラフジ
(ツユクサ科)ツユクサ
(トウダイグサ科)エノキグサ
(トウダイグサ科)オオニシキソウ
(トウダイグサ科)コニシキソウ
(トクサ科)スギナ
(ナス科)イヌホオズキ類
(ナデシコ科)キヌイトツメクサ?
(ニレ科)アキニレ(実生)
(バラ科)キンミズヒキ
(ハエドクソウ科)トキワハゼ
(ヒユ科)ホソバツルノゲイトウ
(ヒユ科)ホナガイヌビユ
(ヒルガオ科)コヒルガオ
(フウロソウ科)ゲンノショウコ
(ブドウ科)キレハノブドウ
(ブドウ科)ヤブガラシ
(マメ科)アレチヌスビトハギ
(マメ科)クズ
(マメ科)コメツブウマゴヤシ
(ヤマゴボウ科)ヨウシュヤマゴボウ
(ラン科)ネジバナ
(リンドウ科)ハナハマセンブリ
モンキチョウ
ツバメシジミ
ショウリョウバッタ
アワダチソウグンバイ