時計の話と振り子時計の原理(工作)
~目に見えない時間を「見える形にする」道具~
~目に見えない時間を「見える形にする」道具~
五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)に比べて、時間の感覚って、とても曖昧に感じることがあります。
私の場合、場所の記憶はわりと覚えていますが、いつ見たか?という時間に関する記憶は曖昧で、メモなどの記録がないとすぐに忘れてしまいます。
先日、NHKのラジオ番組「子ども科学電話相談(9月7日(日)午前10:05放送)23分頃」 で「時間はなぜ、長く感じたり、短く感じたりするのか?」という質問がありました。遊んでいる時は時間が短く感じ、学校で勉強している時は長く感じる、どうしてか?という素朴な疑問です。
素朴な疑問ほど、ちゃんと説明するのは難しいものですが、対応された大日向雅美先生(恵泉女学園大学学長)の話では、時間には「物理的時間」と「心理的時間」の2つがあると説明されていた。長く感じたり、短く感じたりするのは「心理的時間」での話と言うわけです。
脱線しましたが、ヒトはかなり昔から「時間」を計るための道具(=時計)を考えて作ってきました。この場合の時間とは「物理的時間」のことです。目に見えない時間を「見える形にする」ために先人たちが積み重ねた苦労があるのです。
最初に作られた時計は、紀元前に作られていた日時計と言われています。(→いろいろな日時計を作ってみよう)
日時計の後、水時計、燃焼時計、砂時計といった自然の力を利用した原始的な時計を経て、13世紀頃に最初の機械式時計が登場しました。17世紀に振り子時計が開発され精度が向上し、19世紀後半から20世紀にかけて腕時計やクオーツ時計(水晶時計)が実用化され普及しました。
▼日時計 紀元前5000年頃のエジプト
▼水時計 紀元前1400年頃にエジプトやバビロニアで発明された
▼燃焼時計 紀元前600~500年代頃、ロウソクや油ランプ、お香を用いた時計。火時計ともいう
▼砂時計 正確な起源は不明だが、1300年代のヨーロッパには存在した
▼機械式時計 1300年頃、北イタリアから南ドイツに至る地域で作られた
▼クオーツ時計 1927年、Warren Marrison&J.W.Horton(アメリカ・ベル研究所)
<参考>
機械式時計の仕組み~脱進機を作ってみよう~
現在は、通信回線経由で正確な時刻を表するスマートフォンに内蔵された時計を使うことが当たり前の時代ですが、目に見えない時間を「見える形にする」ために先人が多くの苦労を重ねてきた歴史に想いを馳せるのも乙ではないでしょうか。