月は地球の周りを公転していて、その周期は、約27.32日です。面白いのは月自体の自転周期も約27.32日であるため、常に同じ面が地球に向いており、地球からは月の裏側が見えないことです(すごい偶然なのか必然なのか)。
地球から見た月は、太陽に照らされた側が光って見えるため、周期的に満ち欠けしているように見えます。地球も太陽の周りを公転していて、太陽と月との位置関係が少しずつ変化するため、地球から見た月の満ち欠けの周期(満月から次の満月まで)は、約29.5日になります。暦で1ヶ月の日数が30日前後なのは、月の満ち欠けの周期から来ているのですね。
<参考>
ちなみに月の見かけの大きさ(=視直径)は、平均で約31分(0.5179度)ですが、地球との距離が変化するため、約29分(遠いとき)から33分(近いとき)の間で変化します。
1度の角度にも満たないので、案外小さいなと感じる方もいるかもしれません。
大学時に指導教官だったK川先生から、月の小ささを表現する方法を教えてもらったのですが、腕を伸ばして指先に持った5円玉の穴を通して月を見ることができるのです。月の観察会では、ちょっとしたクイズにもなるでしょう。
新月を0として約29.5まで「月齢」をカウントして満ち欠けの目安に使っています。
天文学的な名称としては、新月・半月(上弦:じょうげん)・満月・半月(下弦:かげん)の4種類で、月齢6.6~8.2が上弦、13.9~15.6が満月、21.4~22.8が下弦と呼ばれています。
<参考>月齢と満ち欠けの関係<暦Wiki
ちなみに「上弦(じょうげん)」とは、半月の弧状の輪郭を弓に見立てたとき、西の空に沈む際に直線になる弓の弦の部分が上になることに由来すると言われています(下弦では上下が逆ですね)。
日本語には、月の満ち欠けに応じて、様々な名称があります。こんなにたくさんの月の呼び名がある言語も少ないのではないでしょうか(他国語での呼び方も調べてみてね)。
<月齢と主な呼び名>
月齢0 新月
月齢2~3前後 三日月(みかづき)・眉月(まゆづき)
月齢7前後 上弦の月・弓張月(ゆみはりづき)・弦月(げんげつ)・半月(はんげつ)
月齢12前後 十三夜(じゅうさんや)
月齢13前後 宵待月(よいまちづき)・小望月(こもちづき)
月齢14前後 十五夜(じゅうごや)・望月(もちづき)
月齢15前後 十六夜(いざよい)
月齢16前後 立待月(たちまちづき)
月齢17前後 居待月(いまちづき)
月齢18前後 寝待月(ねまちづき)・臥待月(ふしまちづき)
月齢19前後 更待月(ふけまちづき)
月齢22前後 下弦の月・弓張月(ゆみはりづき)・弦月(げんげつ)・半月(はんげつ)
<参考>
月面の地名
月の表面には凹凸があって、双眼鏡や小さな天体望遠鏡で見てもクレーターや海と呼ばれる地形が観察できます。それぞれの地形には名前が付けられています。
天体望遠鏡で天頂プリズムなどを使うと左右が逆になって見えるのですが、地形をよく見て、地名を調べてみるのも良いでしょう。
月齢によって見やすい地形は変化します。満月よりも欠けた月のほうが、地形の凹凸が見やすく、いろいろな月齢で観察をすると良いでしょう。