奈良県の麦類の収穫量は全国36位らしい(2023年)。「三輪そうめん」の原材料などとして、奈良県内では、桜井市、田原本町、橿原市、広陵町、葛城市などで栽培されているそうだ。
英語で、小麦はウィート(wheat)、大麦はバーリー(barley)。主に小麦はパンや麺に、大麦はビールや焼酎、麦茶、味噌、麦ごはんなどに使われる。
穂につく実が上から見て対角線上に並んでいるのがオオムギだそうだが、品種によっては見分けは難しいそう。おそらくコムギ。
<参考>
三輪山の麓に広がる美しい『麦畑』<奈良に住んでみました(旧システム)
奈良県の麦類生産データ<ジャパンクロップス(日本の農作物販売促進サイト)
野草の「麦」を見てみよう
作物のコムギ(イネ科コムギ属)やオオムギ(イネ科オオムギ属)には、日々の食事でお世話になっているが、道ばたの野草の中にも「○○ムギ」と名の付く植物がある。そんな野の麦達を観察してみた。すべてイネ科の草であるが、いろいろな属の植物で、~ムギと名は付くが、個性的な植物たちだ。4~5月くらいが観察に適した季節だろう。
犬麦。麦に似ているが役に立たないという意味の名。南アフリカ原産のイネ科スズメノチャヒキ属の野草。日本には明治初めに牧草として導入され、全国に拡がった。牧草として役に立っているようだが・・・。
烏麦。ヨーロッパから西アジア原産のイネ科カラスムギ属の越年草。縄文時代に日本に移入した史前帰化植物と言われている。オートミールとして食用にされるエンバク(燕麦)と近縁で、祖先種と言われることもある。
小穂から2~3本の長いねじれた芒(のぎ)が伸びており、果実が実って地面に落ちてから、タネが地面に埋まるように動く(乾湿運動)。
<参考動画>
【身近な植物】カラスムギを茹でて食べてみた!<米村でんじろう[公式]
鼠麦。ヨーロッパ原産、イネ科ドクムギ属の1~2年草で明治初期に牧草や緑化用として導入された。牧草名イタリアンライグラス。近似種にホソムギがあり、種間雑種(ネズミホソムギ)ができるため区別が難しい場合がある。長い芒がある。外来生物法で要注意外来生物に指定されている。
細麦。ヨーロッパ原産、イネ科ドクムギ属の多年草で、日本へは明治初期に牧草として導入され、造園用芝草としても利用される。牧草名ペレニアルライグラス。ふつう芒は無い(まれに短い芒あり)。近似種のネズミムギとの種間雑種(ネズミホソムギ)ができるため区別が難しい場合がある。写真の個体も短い芒があり、ネズミホソムギかもしれない。
<参考>
ネズミホソムギ(鼠細麦)<草花図鑑<野田市
芝麦。地中海沿岸原産のイネ科シバムギ属の多年草で、明治時代初期に牧草として導入された。別名ヒメカモジグサ。ネズミムギやホソムギと違って、葉舌はほとんど目立たず、細い三日月形の葉耳がある。外来生物法で要注意外来生物にされている。
<参考>