ツツジの葉っぱの白い餅
ツツジ類もち病菌の菌えい
ツツジ類もち病菌の菌えい
5~6月頃、ツツジ類の新葉、葉柄、花蕾などが不整形に肥大する。一見すると「虫こぶ」のようだが、原因は虫ではなく、担子菌門クロボキン亜門モチビョウキン(餅病菌)目のExobasidium cylindrosporumなどの感染による「菌えい」。
教育研究所のツツジ類植え込みでも発生していたので、観察してみた。
葉、葉柄、蕾などが不整形に膨れる。最初は白っぽいので「モチ」病と呼ばれるらしい。
胞子ができていそうなので、顕微鏡で観察してみることにした。
大きさも形もさまざま。
セロハンテープで担子胞子を採取できるそうなので、試してみた。
もち病の表面の粉っぽいところをセロハンテープでそっと採取してみた。このテープをスライドグラスに貼り付けて、プレパラートにして観察。
染色していないので、ちょっと見にくいけど、細長い胞子が見えた。
胞子はあまりできていないようだった。400倍にして、顕微鏡の絞りを絞り気味にして、やっと胞子が見えた。
担子器を見るには、切片作成が必要らしいので、簡易ミクロトームで切片を作成してプレパラートを作成。
顕微鏡で見ると、肥大した葉などの植物組織の表面に菌糸の層ができていて、多くはないけど、点々と担子器らしい細胞ができていた。
胞子を作る細胞(担子器、たんしき)が見えた。
担子器から、3~5本の担子柄が出てソーセージ型の胞子を付けるそうだ。
担子器(たんしき)に出来ている、未熟な胞子も観察できた。
観察した時期もあるかと思うが、胞子や担子器は数が少なく、プレパラートを何度か作り直してやっと写真に撮れそうなものを探し出せた。キノコのヒダなどの子実層ではもっと簡単に胞子を観察できるので、ツツジ類もち病菌の顕微鏡観察は、初心者向きではないかもしれない・・・。