酸っぱい味がする「スイバ」
スイバ(酸い葉)はタデ科の多年草。シュウ酸カルシウムを含み、食べると酸っぱい味がする。道端などに生えて、草丈30~100cm前後になる。初夏に穂状の花茎を伸ばして咲く。あぜ道などに並んで咲く様子は、田園の風景としても美しい。北半球の温帯に広く分布し、フランスなどでは、ソレルとも呼ばれ、野菜として食べられる。
<参考>スイバ<ウィキペディア
スイバは、雌雄異株であり、その性はX染色体と常染色体の比によって決定されているそうだ。身近な野草であり、その性比を調べてみると面白そうなので、教育研究所の駐車場東側草地(約30×3m)に生えているスイバの全株で、雄株と雌株の数を数えてみた。
雄株の花茎に咲く雄花、雄しべのみの花
花粉は風媒。顕微鏡でも見てみた(下図)。
雌株の花茎に咲く雌花、雌しべのみの花
調査日:2025年4月30日
調査時間:昼休みの40分間
調査方法:草丈はいろいろだが、穂状の花茎を1本とカウントし、雌雄を記録した。
結果:全数387本、うち雄52本、雌335本であった。
雌が多く、雄の6.4倍の数であった。
性比(雄と雌の比)=52÷335×100=15.52% となる。
スイバの性比は、雌に偏ることが多いそうだが、調べる場所によっても違いがあるそうだ。身近な場所でも調べてみると良いだろう。
植物の多くは雌雄同株で、雌雄異株の種類は少ない。雌雄異株になる植物としては、アスパラガス、フキ、ホウレンソウ、サンショウ、アオキ、コクサギ、クワ、カラスウリ、キウイ、シロガネヨシ、イチョウ、ソテツ、ナギなどがある。
植物にも雄と雌があることを知るための例として、スイバは身近にたくさん見られ、良い教材になると思う。
<参考>
スイバの性比の野外観察をとおしての学生に対する統計的考えの導入<近畿大学農学部紀要46号(2013年3月)