左の図は、とある家族の系譜を示した「家系図」の例です。
「家系図」とは、人や家族の世代間のつながりを示した図。一人の人物から見て、祖先や子孫の世代ごとのつながりを示し、家族の歴史や血縁関係、先祖の情報を記録・整理するために用いられます。
右の図は、脊椎動物の進化の系譜を示した「系統樹」の例です。
「系統樹」とは、生物が進化で枝分かれする歴史的関係を示した図。生物の進化の歴史を、樹木のように枝分かれで表し、生物の進化的な関係性や共通の祖先、種間の近縁性を推定するために使われます。
進化の時間が進むほど枝が分かれていく様子が描かれます。末端の枝に現存する種(種群)が示されることが多いです。
家系図が「家族の系譜」を扱うのに対し、系統樹は「生物などの進化的な系譜」を扱う点で異なりますが、そもそも扱う時間のスケールが違います。
上の家系図と系統樹では、下が過去で上が現在になるように時間軸を付けています。
系統樹の時間軸は、○億年のスケールですが、こんなに長い時間をどうやって遡って決めることができるのでしょうか?
昔は化石の出てきた地層の年代とかを参考にしていましたが、DNA分子の情報を比較することで、生物進化の年代を推定できるようになっています。分子時計と呼ばれるもので、DNA分子の配列の違いを比較し、分岐した年代を推定しています。この根拠になっているのは、分子進化の中立説で、国立遺伝学研究所におられた木村資生博士の発表された学説です。
<参考>
自由研究で「家系図」を作ってみるのも良いかもしれませんね。保護者の方と一緒に調べてみると、思わぬ発見があるかもしれません。どこまで遡って、ご先祖様の名前を調べられるでしょうか?
自身のルーツを知ることは、生き物の命が繋がって今に至ることを実感するためにも良い経験になるでしょう(作った家系図は大切に保存しておくと将来とっても役に立ちますよ!)。