おでんの具材の大根。大根をよく見ると、細い根(側根)が2列になって生えています。側根の生えている部分は「根」なのですが、上の部分は側根がなく、少し緑色がかっていることもあります。さらに上にはごく短い茎があって、葉が付いています。
小学校では「根・茎・葉」を習います。中学校になると茎や根の中に通っている維管束(いかんそく)を習います。
根と茎の間の部分は、植物形態学では「胚軸(はいじく)」と呼ばれる部分で、根でも茎でもない特殊な部位になります。胚軸の部分では、維管束の並びが根から茎への変化していく様子が観察できるそうですので、観察してみようと思います。使う材料は、入手しやすい貝割れ大根。大根の発芽直後の「胚軸と子葉」になります。
横断面を作る際には、簡易ミクロトームを利用しました。断面は顕微鏡で40倍から100倍で観察しました。
植物染色液などを入れた色水を吸わせて、維管束が見やすいように染めてみます。子葉に色が見えるまで、3時間以上吸水させました。
幼根部分の断面です。根毛が生えているようすも観察できました。色づいた導管部分は中心部に1列に並んで見えます。
胚軸の中程の横断面と縦断面。維管束の様子が幼根部分より変わってきています。縦断面では、導管のらせん状の構造も見えます。
子葉の付け根のすぐ下で切った横断面と子葉の付け根付近の縦断面。
導管が輪っか状にひろがって並ぶようになっています。
<参考サイト>
ウィキペディア>カイワレダイコン
日本スプラウト協会>スプラウトメモ
http://www.sprout-jp.org/spmemo.html
学研キッズネット>辞典>はいじく【胚軸】
https://kids.gakken.co.jp/jiten/dictionary06100049/
植物のからだについて<みんなのひろば<日本植物生理学会
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=734
道管のらせん<みんなのひろば<日本植物生理学会
https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=765
ウィキペディア>胚軸(hypocotyl)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%83%9A%E8%BB%B8#%E5%8F%8C%E5%AD%90%E8%91%89%E6%A4%8D%E7%89%A9