奈良県立教育研究所の周辺で、2025年7月に見かけた虫(蟲)たち(写真を撮れた種類)。
にいにい蝉。体長20-24mmの小型のセミで、日本・台湾・中国・朝鮮半島に分布する。褐色のまだら模様の前翅、黒地に透明の縁取りのある後翅で、なかなかおしゃれなセミ。この模様は、地衣類などの生えた樹皮にそっくりで、目立たない擬態になっている。
油蝉。日本(北海道から屋久島)、朝鮮半島、中国北部に分布する。茶色の不透明な翅をもつ大型のセミ。翅全体が不透明のセミは、世界的には珍しい。名は「ジリジリジリ…」という鳴き声が揚げ物作るときの音に似ているためとか、茶色の翅が油紙を連想させるためとか諸説あるらしい。
成虫が盛んに鳴き出した。
写真はサクラの枝にいるクマゼミの成虫。キマダラカメムシと並んで樹液を吸っていた。
ついに教育研究所のサクラでも見つけてしまった・・・。
首赤艶天牛。カミキリムシ科の昆虫で、日本へは2012年に移入し、分布が拡大している。幼虫がサクラ、ウメ、モモなどのバラ科樹木の内部を食い荒らし、枯死させてしまうこともある。2018年に環境省により特定外来生物に指定されている。
斑髭亀虫。カメムシ科の昆虫で、ヨーロッパから日本までの旧北区に広く分布する。マメ科、キク科、ダイコン、ゴマ、ニンジン、ゴボウ、イネなどの実から吸汁する。
姫赤立羽。タテハチョウ科の昆虫。分布が最も広いチョウで、南アメリカ大陸と南極大陸を除く全ての大陸に分布している。アカタテハに似ているが、後翅の表側は褐色ではなく橙色地に黒斑点が並ぶ。幼虫はヨモギなどキク科の葉を食べる。
姫扁虻。ハナアブ科の昆虫。マツバゼリの花に来ていた。ミナミヒメヒラタアブかな?
薄羽黄蜻蛉。全世界の熱帯・温帯地域に広く分布し、日本では夏から秋にかけて全国でみられる。昼間は地上に降りず飛び回るので、写真を撮るのが難しい。
熊蝉。今年の初鳴きを聞いたのが2025年7月9日だった。抜け殻が駐車場付近の草木に付いていた。
2025/7/11 クマゼミの顔だけ落ちていた。鳥に食べられたのかな?
灰色源五郎。ゲンゴロウ科の昆虫で、北海道、本州、四国、九州、南西諸島に分布空の。開けた環境を好み、水田や池などに見られる。浅い土でも幼虫が蛹になれるため、都市部のコンクリートで囲まれた水田でも繁殖できるらしい。
軍配虫5種。葉っぱの汁を吸うカメムシの仲間。小さいけど多様な姿が面白く、付いている植物との関係もハッキリしているグンバイムシ、身近な場所で探してみよう。
プラタナス軍配。駐車場北側に植えられているプラタナス(モミジバスズカケノキ)の葉にいた。
麝香揚羽。幼虫はウマノスズクサ類の葉や茎を食べて育つ。教育研究所の片隅に植えてあるウマノスズクサに付いていた。ウマノスズクサ科の植物にはアリストロキア酸という毒性の強い物質が含まれ、その葉を食べる虫は限られている。
虫かごで展示していたジャコウアゲハの幼虫が、蛹になって、羽化していた。
塩辛蜻蛉。成熟したオスは白い粉を吹いたようになり、それが「塩辛」を連想させることから「シオカラトンボ」と名付けられた。アスファルト舗装の上にいると翅が見えず、目立たないこと。
クマバチの雌と巣穴
熊蜂。別名キムネクマバチ、クマンバチ。メスは、古い木や木材に細長い巣穴を掘ります。英名はcarpenter bee(大工の蜂)。教育研究所の生垣に使われているセイヨウイボタノキ(プリベット)の枝に巣穴を掘っていた。
姫黒落とし文。体長5mm前後のオトシブミ科の昆虫で、本州、四国、九州に分布。ノイバラ類の葉上にいた。葉を丸めて揺籃(ようらん)を作る。オトシブミ類では、もっとも普通に見られる。
小紋土蜂。ツチバチ科の昆虫。触覚が長いので、オスのようだ。センダンの葉上にいた。
腹広蟷螂。カマキリ科の昆虫で関東以南に分布。このカマキリは、樹上にいることが多い。
細縁亀虫。ホソヘリカメムシ科の昆虫。写真の個体は後脚の腿節が太いのでオス。マメ科植物の実の汁を吸うため、ダイズ、ササゲなどの作物の害虫とされる。写真もアレチヌスビトハギ(マメ科)の葉上にいた個体。