日時計は、人類最古の時計です。古代エジプトでは、紀元前5000年頃にすでに利用されていたそうです。
地球上にいると、太陽は約24時間で一回りするように見えます(実際は、地球が24時間で1回転しています)。学校の授業時間内では、ほとんどの天体を観察することはできませんが、太陽は昼間に観察できる天体ですから、星の動きを考えるには良い教材になります。
春分の日や秋分の日では、昼間の長さがほぼ12時間になるので、日の出から日暮れまでに、角度にして180°太陽が動きますね。12時間で180°ですから、1時間では15°動くことになります。
棒を地面に立てて、1時間ごとの影の動きを記録すると、日時計として利用できる文字盤ができあがります。その場所の緯度に合わせた角度で棒を立ててやると、季節による誤差の少ない日時計になります。実際には、地球の回転軸の傾きや大気の影響など、様々な要因があって正確な時刻を示す日時計はなかなか作るのが大変なのですが、天文精密日時計を作っておられる方もいます。
北半球では、日時計の棒の影は右回りに動いていきます。
現在のアナログ時計の針が右回りなのは、この影の動きに由来するそうです。
時刻を読み取るための文字盤を水平にしたり、垂直にしたり、円筒形にしたり、日時計のデザインは工夫次第でいろいろなタイプを考えることができるので、自分なりにアレンジして工作してみてください。
コマ型日時計と水平型日時計を組み合わせたデザインです。
以下の型紙には、コマ型の目盛り(冬用と夏用で裏表になる)と水平型の文字盤が組み合わさってあります。コマ型の文字盤から水平型の文字盤を作っているのですが、線がどのようにつながっているのかも考えてみてください。応用すると垂直型の文字盤も作ることができます。
3つのタイプの日時計を合体させた物です。以下の型紙と竹串1本で作れますので、作ってみてください。
コマ型日時計の15°間隔で引かれた線が、水平や垂直の面でどう繋がっているのか、実感できると思います。
垂直+水平型日時計.pdf もあります。
ペットボトルの円筒に、24本の線を引いて文字盤代わりにしてみました。赤道式日時計とか円環式日時計と呼ばれるタイプになるかと思います。中心の棒の影がどのように動くか想像してみてください。
円筒形の応用編。100円ショップでプラスチックの球体が入手できたので、作ってみました。この形の方が、天球上の太陽の動きをイメージしやすいかもしれません。
<参考サイト>
▼日時計を作って太陽の動きを知ろう<宇宙科学研究所キッズサイト
https://www.kids.isas.jaxa.jp/ex/sundial/index.html
▼工作 日時計をつくろう<Gakkenキッズネット
https://kids.gakken.co.jp/jiyuu/category/art/make_sundial/
▼身近なもので日時計を作ろう<ベネッセ教育情報 自由研究解決ガイド
https://benesse.jp/kyouiku/jiyukenkyu/cont/shogaku/111.html
▼時計の中に広がる宇宙~天体時計開発裏話~<多摩六都科学館
https://www.tamarokuto.or.jp/blog/rokuto-report/2022/07/24/post-25384/
▼日時計<ウィキペディア
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%99%82%E8%A8%88
▼日時計<日本大百科全書(ニッポニカ)
https://japanknowledge.com/contents/nipponica/sample_koumoku.html?entryid=889
▼時計の起源 日時計<セイコーミュージアム銀座
https://museum.seiko.co.jp/knowledge/ElementalTimepieces01/
▼教材としての日時計に関する一考察(北海道教育大学紀要 第62巻第2号、平成24年2月)
https://hokkyodai.repo.nii.ac.jp/record/6033/files/62-2-kyoiku-27.pdf