<おでんの材料>
下記は「関西風おでん」のレシピからの抜粋。じつにいろいろな食材(=自然の恵み)が使われます。
□ 牛すじ(ウシ)ウシ科
□ 玉子(ニワトリ)キジ科
□ 大根 アブラナ科
□ 人参 セリ科
□ ジャガイモ ナス科
□ ごぼ天(ゴボウ、魚肉、でん粉など)
□ 厚揚げ(大豆、凝固剤、植物油など)
□ ちくわ(魚肉、でん粉、卵白、植物油など)
□ さつま揚げ(魚肉、でん粉、卵白、植物油など)
□ がんもどき(大豆、植物油、凝固剤、玉ねぎ、にんじん、昆布、ひじき)
□ こんにゃく(こんにゃくいも、海藻粉末、凝固剤)
□ たこ(マダコ)
ニワトリは、ヤケイ類を祖先として家畜化された鳥(家禽)。
紀元前6000年頃に中国北部で家禽化され、19世紀になって品種改良が盛んになった。卵を採ることを目的とした卵用鶏はレイヤーと呼ばれ、肉を利用する肉用鶏はブロイラーと呼ぶ。
レイヤーは年間約280個程度の卵を産むそうだ。週に5~6個も卵を産むなんて、品種改良ってすごいですね。
ちなみに、ハトの玉子は、茹でても白身が固まらないらしい。昔、知人からカラスの玉子も白身が固まらないと聞いたことがある。確かめるチャンスがないけれど、鳥の種類によってタンパク質の固まり方が違っているようで面白い。普段何気なく食べているニワトリやウズラの玉子は、食材として優秀なものが選ばれてきた結果なのでしょう。
アブラナ科ダイコン属の越年草。主に肥大した根(正確には根と胚軸部分)を食用にする。
原産地は、地中海~中央アジアと考えられている。各地で品種改良され、多くの品種がある。日本には、世界一大きくて重い「桜島大根」や世界一長い「守口大根」などの品種がある。春の七草の「すずしろ(清白)」は、ダイコンのことで、白い根を表したもの。
主に根を薬用や食用とする。古くから利用されてきた植物で中央アジア原産。日本には16~17世紀ごろに中国から伝わったそうだ。ビタミンAの元になるカロテン類を豊富に含んでおり、根菜類では唯一の緑黄色野菜に分類される。ニンジンのβ-カロテンは、油で調理すると吸収率は生食の10倍ほどになるそうだ。
<参考サイト>人参の栄光!遍歴をたどる時間旅行
厚揚げは、厚めに切った豆腐を油で揚げたもの。
豆腐は、ダイズの種子の煮汁(豆乳)を凝固剤で固めたもの。
凝固剤には伝統的には「にがり」が使われる。
にがりは、海水からとれる塩化マグネシウムを主成分とする。
東アジアに産するツルマメ(Glycine soja)が原種で作物化されたもの。種子にタンパク質を多く含み、醤油・味噌・納豆などの加工食品原料、製油用や飼料用、印刷用インキなどに多岐に利用される。
おでんの例で、普段の何気ない食事であっても、自然の恵みをいただいていることを実感してほしくて作ってみました。ヒトも1種の生き物なので、他の生き物を食べることでしか生きて行けません。生態系が与えてくれる恩恵(=生態系サービス)を少しは実感してもらえたら幸いです。
他の料理でも、同じような調べ学習ができそうですね。郷土料理もいいかも。