太陽は直径1,392,700kmの恒星(自ら光を放つ天体)で、その表面温度は6000K(摂氏約5700℃)になる。地球の直径の約109倍、体積は約130万倍、質量は約33万倍にもなる。
太陽を中心に8つの惑星、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星が公転していて、さらに準惑星やそれらに属する衛星、小惑星、彗星などをあわせたものを「太陽系」と呼んでいる。
太陽系はとても大きい。そんなことは誰でも知っていると思うけど、実感として腑に落ちている人は案外少ないかもしれない。少しでも実感できないか?ということで、理科の先生達がいろいろ考えて工夫した教材はたくさんあって、ネットでも公開されている。いろいろな実践例を参考に、教育研究所でできそうなプランを考えてみた。
▼太陽・地球・月の大きさ比較
もし、太陽系を10億分の1に縮小したら、太陽は約1.4mの球、地球は約1.3cmの球、月は約0.35cmの球になる。このとき、地球は太陽から約150m離れて公転し、月は地球から38cm離れて公転していると見なせる。
約1.4mの球 →推奨サイズ1.4~1.5mのジャイアントバルーンが通販で買えるみたい
約1.3cmの球 →ビー玉サイズ
0.35cm(3.5mm)の球 →ビーズ玉やベアリングボールなど
150mの距離を確保できれば、実際に上記のサイズの球を入手して配置してみると、宇宙ってほんとに何も無い空間が広がっているんだと実感できるかな?
▼太陽系を縮小したら・・・
上の図は、太陽系のイメージとしてよく使われる図の例である。なんとなくこんなイメージで太陽系を捉えている人が多いかもしれない。上のような図では、星の大きさの違いや距離感はなかなか感じ取れませんね。
以下の距離を示し、生成AI(Gemini)に太陽から海王星までの距離を100mになるように縮小した場合と、20mに縮小した場合の2つの縮尺での星の直径と公転半径を計算してもらった。この距離にしたのは、教育研究所のグラウンドの対角が約100mだったことと、2階の廊下でとれそうな直線距離が約20mだったから。
<太陽・惑星の直径>
太陽 1,392,700km
水星 4,879km
金星 12,104km
地球 12,756km
火星 6,792km
木星 142,984km
土星 120,536km
天王星 51,118km
海王星 49,528km
<惑星の公転半径>
水星 約5800万km
金星 約1億100万km
地球 約1億5000万km
火星 約2億3000万km
木星 約7億8000万km
土星 約14億3000万km
天王星 約29億6000万km
海王星 約45億km
太陽から海王星までの距離を100mになるように縮小する(45,045,045分の1スケール)と、太陽の直径は約30mmになり、惑星はさらに小さく、地球は0.28mm、木星や土星といった巨大惑星も約3mmサイズになる。太陽系の中って、ほんとにスカスカで何も無い空間だ。
さらに縮小して、太陽から海王星までの距離を20mに縮小する(225,225,225分の1スケール)と、惑星のサイズはもっと小さくなり、地球は約0.06mmとなり、ほとんど点としか認識できないサイズになる。一方で、公転半径は扱いやすい距離感(→学校の廊下でも取れそうな距離)になる。
この2つの縮尺を比較することで、教材の目的に合わせてより効果的な表現方法が見つかるかもしれない。例えば、惑星の配置を実感させたい場合は20m縮尺、太陽や惑星の大きさをもう少し意識させたい場合は100m縮尺の方が良いかもしれない。
地球をビー玉くらいのサイズ(1.4cmの球)になるように縮尺した場合、太陽から海王星までの距離は5kmになるので、ちょっとしたハイキングコースになる。宇宙探査機「ボイジャー1号」になったつもりで、なんちゃって太陽系旅行を企画してみてもよいかな。
自然史分野の学習では、できるだけ実物を観察してほしいのだが、天体については、太陽や月以外は夜間に見るしかないため、学校での授業中に実物を観察できないのがつらいところ。そんな中でも模型や映像などを使って、少しでも実感を伴う学習をしたいものだ。
下の図を印刷して、短冊のように切り分けて、20mのロープや天井などに吊してもよいだろう。
教育研究所でエントランス2階の廊下にあるガラスの防煙垂れ壁にクリップで、太陽・惑星カードを吊り下げてみました。