天体望遠鏡やフィールドスコープに太陽観察用のソーラーフィルターを取り付けて、安全に配慮しつつ、昼間の天体観察をしてみました。
太陽の観察では、専用のソーラーフィルターを使いますが、望遠鏡で直接太陽を見ることになります。
ソーラーフィルターに穴などあいていないか、きちんと対物レンズの前面すべてを覆うようにしっかりと装着できているかなど、安全に観察を行うための配慮は怠らないようにしましょう。
望遠鏡は、それほど大きな口径のものは必要ありません。50mmから80mm程度で十分です。
高い倍率も不要です。倍率は15~25倍くらいが見やすかったです。高倍率になると天体の日周運動ですぐに視野から外れてしまいますので、低い倍率が観察会には向いています。望遠鏡の倍率は、対物レンズの焦点距離を接眼レンズの焦点距離で割った数値です。例えば対物レンズの焦点距離が500mmで接眼レンズ25mmの場合、500÷25=20倍となります。
望遠鏡の架台は、日周運動を自動追尾する赤道儀が望ましいですが、短時間なら手動の経緯台でも十分です。カメラ用三脚など微動装置のない架台では天体の導入は難しいです。
▼ソーラーフィルターは観察中に外れないようにしっかりと取り付ける。
▼子どもがいたずらしないように注意する。
▼ソーラーフィルターを装着していない望遠鏡では絶対に太陽を見ないように、念を押して指導する。
<参考>
ソーラーフィルター
太陽観察用の金属コーティングを施したフィルムを対物レンズの前(太陽側)に被せて1/100,000以下に減光し、目に有害な熱線を防いでいます。
私は、上記のようなものを厚紙の筒とアルミホイル、白い樹脂フィルムで紙工作しました。
天体望遠鏡には、ファインダーと呼ばれる天体導入用のサブスコープが付いていますが、太陽の導入には使えません(小さくても望遠鏡なので、フィルター無しでは目が焼けます)。
通常のファインダーの代わりに、太陽導入用の太陽ファインダーを作って使いましょう。
専用品も販売されていますが、簡単な工作なので、自作すると良いでしょう。
<参考>空き缶太陽ファインダー
望遠鏡と平行になるよう取り付けます。
太陽の光点が、フィルムの十字線の中心に来るようにすると、天体望遠鏡の低倍率の視野にも太陽が入ります。
昼間に観察できるほぼ唯一の天体が太陽です。
学校や自宅に天体望遠鏡があるなら、ソーラーフィルターを装着して太陽の観察ができます。
安全への配慮は怠れませんが、太陽黒点の観察など太陽表面の様子の変化を定期的に観察するなども面白いでしょう。
<参考>
デジタルアイピースの活用
デジタルアイピースを使って皆で観察もできます。
天体望遠鏡用のデジタルアイピースも各種販売されています。ケーブルでパソコンに繋げるものやWi-Fiでスマホやタブレットに映像を送れるものなどもあるようです。
直接太陽を観察するわけではないので、安全でもあります(ただ、接眼レンズ越しに直接見た方が感激しますし、細部まで鮮明に観察できます)。