センサーカメラで
カヤネズミの巣を撮影してみた
カヤネズミの巣を撮影してみた
センサーカメラ(自動撮影カメラ、トレイルカメラ、トラップカメラとも呼ばれる)を利用して、先日見つけたカヤネズミの巣を撮影してみた。
デジタルカメラの性能が上がって、乾電池などで長時間屋外に設置できるセンサーカメラが安価になってきたので、野生動物の調査には欠かせない道具となっている。
人の気配に敏感な野生動物は、屋外ではなかなか観察することが難しい場合が多いし、哺乳動物の多くは夜行性なので、夕方から早朝に活動している。この時間帯に森の中で観察を続けることは、体力的にも難しい。センサーカメラはこの問題を解決してくれるアイテムなのだ。
カヤネズミの動画ファイル(MP4形式)
こんな感じで巣の撮影を行った。チガヤの葉を編み込んで作られた巣は、膝下くらいの高さにあって、目立たない。
カヤネズミが写った~。
カヤネズミのアップ
カヤネズミと巣
カヤネズミと巣
カヤネズミのアップ。
かつては農村周辺の草原に多数生息していたが、草原環境の減少に伴って、国内の分布域の約8割で、レッドリストに掲載されるまでに減少している。
センサーカメラは、撮影時間帯を夕方4時半から朝9時半までに設定した。静止画を3枚撮影後に動画を10秒間撮影するように設定。カメラと巣の間の草は少し刈り取った(葉が揺れてもセンサーが反応してしまうため)。あまり草を刈りすぎると、巣の存在が野鳥などに見つかりやすくなるかと思い、草刈りは最小限にしておいた。
2025年7月19日の16:30~2025年7月24日の9:30まで5日間カメラを設置して回収した。この期間にセンサーは198回反応したようで、594枚の静止画像と198カットの動画が記録されていた。カヤネズミが写っていたのは、上の1カットのみだった。陽に当たった葉が揺れたり、虫が横切ったり、落ち葉にセンサーが反応したりで、なかなかカヤネズミの姿は写ってくれなかったが仕方がない。とりあえず、巣を利用しているようでなによりであった。子育て期間中はそっとしておこうと思う。
センサーカメラの撮影画像には、撮影日時の他に気温も記録されているが、猛暑の続くこの夏、7月22日の夕方には、なんと66℃にもなっていた。センサーカメラは雨よけに樹脂製のカバーで覆っていたことも影響しているとは思うが、厳しい暑さの中での子育て、カヤネズミも大変だろうなぁ。
(2025/8/6追記)構内の草刈りが行われて、カヤネズミの巣があった草地もしっかり草刈りされていた。子育ては終わっていたと思いたい。空っぽの巣は展示用に回収した。