木の葉とダニ室
ダニに居所を用意する葉っぱたち
ダニに居所を用意する葉っぱたち
校庭にクスノキはあるでしょうか? もし植えてあるなら、葉っぱを1枚もらって、観察してみよう。
表面はつやのある、縁がなめらかな葉っぱ。葉脈の枝分かれ部分を注意してよく見てみると・・・
葉表側では、すこし膨らんだ様子。葉裏側では、窪んでいたり、孔があいていたりして、内部が空洞になった小さな部屋がある。
じつは、この小さな空間はダニのためにクスノキが用意した小部屋で「ダニ室」と呼ばれている。
※ダニ室は、植物が自ら作った構造なので「虫こぶ」とは呼ばない。
少し窪んだだけのダニ室
入り口が狭くなっていて、内部の空間が守られたダニ室
今回の観察でも、ダニ室内に棲んでいるフシダニ類が観察できた(写真は撮れなかった・・・)。以下のサイトでどんなダニが棲んでいるかなど、調べてみてもよいだろう。でも、やっぱり自分で顕微鏡で観察した方が感激できるかな。
<参考>
他の木でも、ダニ室を作るものは案外多くて、たくさんの種類で確認されている。クスノキのようなしっかりした空間を持つダニ室は少数派みたいだけど、サンゴジュやノブドウの葉ではよく似たダニ室が見られる。ケヤキやエノキ、ムクノキやアキニレ、モミジなどでも葉脈の分枝部分に毛が多く生えていて、ダニの居所になっていたりする。
脚が6本なので、昆虫ですね
白いのはフシダニと思う。
オレンジ色のは、フシダニではなさそう・・・
つる植物のノブドウ。大きな葉っぱをつけます
葉脈の分枝部に膜が張ったポケット状の部屋を作る。丈夫そうな毛が生えていた。
葉脈の分枝部にある
葉脈の分枝部に毛が密生している
葉脈の分枝部にダニ室がある
葉脈の分枝部に毛が密生している
葉脈の分枝部にダニ室がある
小さなダニが集まっていた
オオモミジ系の園芸種の葉っぱ。葉の基部の分枝部に毛が多い。
葉っぱの裏だけに棲んでいるダニたち。とっても小さな世界だけど、こんなところにも生態系が見つかります。ダニ室を作るには相応のコストがかかりますから、植物の側にも何かしらのメリットがあるんでしょうね。考えてみるのも良いだろう。