教育研究所の敷地内や建物の周囲には、いくつもの「植え込み」や「生け垣」がある。
「植え込み」に使われている多くは、ツツジの園芸種(ヒラドツツジ類とキリシマツツジ類)で、春から初夏に花を咲かせて目を楽しませてくれる。「生け垣」にはセイヨウイボタノキ(プリペット)とヒラドツツジ類が多い。
さて、植え込みや生け垣を見ていると、植えた植物以外の草木が生えてきていることがよくある。いわゆる「勝手生え(かってばえ)」と呼ばれる植物たちだが、教育研究所のツツジの植え込みで見られる「勝手生え植物」を探してみた(主に木)。
ちなみに山の植林地で、植えたスギやヒノキ以外で勝手に生えてきた木のことは、勝手生えとは呼ばず、「雑木(ぞうき)」と呼ぶそうだ。農地で植えた作物以外で勝手に生えてきた草のことを「雑草(ざっそう)」と呼ぶのの樹木版と言えそうだ。
▼ツツジの植え込みで見られた「勝手生えの木」
ケヤキ
(ニレ科)欅
種子散布は、主に風による
エノキ
(アサ科)榎
種子散布は、主に鳥による
ムクノキ
(アサ科)椋の木
種子散布は、主に鳥による
(クスノキ科)樟または楠
種子散布は、主に鳥による
(モクセイ科)唐鼠黐
種子散布は、主に鳥による
(モチノキ科)黒鉄黐
種子散布は、主に鳥による
(メギ科)南天
種子散布は、主に鳥による
(バラ科)常盤山査子
種子散布は、主に鳥による
(クワ科)犬枇杷
種子散布は、主に鳥や獣による
(バラ科)桜
種子散布は、主に鳥や獣による
(モクセイ科) 西洋水蝋樹
種子散布は、主に鳥による
(イネ科)笹。ネザサ?
種子散布は、主に風による
▼ツツジの植え込みで見られた「勝手生えの蔓」
(アカネ科)屁糞葛
種子散布は、主に鳥による
(ブドウ科)藪枯らし
種子散布は、主に鳥による
(実は2倍体にしかできず、多くは3倍体で実らず、地下茎で増える)
(ツヅラフジ科)青葛藤
種子散布は、主に鳥による
(アケビ科)通草または木通
種子散布は、主に鳥や獣による
(アケビ科)三葉通草または三葉木通
種子散布は、主に鳥や獣による
(マメ科)痰切豆
種子散布は、主に鳥による
(マメ科)矢筈豌豆
種子散布は、豆鞘が弾けて種子を飛ばす自動散布による。
別名カラスノエンドウ
(マメ科)雀野豌豆
種子散布は、自動散布による
▼ツツジの植え込みで見られた「勝手生えの草」
(キク科)背高泡立草
種子散布は、主に風による
(タデ科)虎杖
種子散布は、主に風による
ざっと短時間で見つかった「勝手生え植物」を列挙したが、案外多くの植物が植え込みに紛れ込んでいた。個々の植物の主な種子散布方法を載せたが、実が鳥に食べられて糞と共に散布される「被食型散布」が大半を占めていた。
教育研究所の周辺でよく見かける鳥としては、ハシボソガラス、ドバト、キジバト、ヒヨドリ、ムクドリ、スズメ、ツバメ、ヒバリなどがいるが、植物の種を運んでいるのは、誰だろうか? どうやって調べたら知ることができるか、考えてみるのも良いだろう。