cheep_but_good

よく、「等倍以上の接写をどうやったらいいのか」という問い合わせがあります。

これには色々の立ち位置があり、資金力があり、求める写真の品質があり、様々なので即答は難しいです。

ですが、「お金をあまり使わないで、高品質の高倍率撮影がしたい」という仮定で話を薦めたいと思います。

やはり、等倍を超える接写にベローズは避けて通れないと思うのですね。キヤノン MP-E と OM システムを除き。

逆に、ベローズを使わないと自由度は低いし値段が高くつきます。

PB-5 あたりですとベローズ手持ちは楽勝です。

ただ、倍率が上がると実効絞りがメチャクチャに絞られてしまうので、当然ぶれやすくなりますし、絞りの回折による解像度低下(小絞りボケ)は免れません。

強い光源を使えばブレは解消できます。

手持ちでは、ピントがごく浅なので、ピンボケが増えます。

だから私はマイクロメーターヘッドを用いて xyz フレーミングをしているのですが、5倍までなら必要ありません。

小絞りボケは物理現象ですから避けようがありません。

フレーミングの工夫とボケを生かす写真にするか、深度合成するかしか手がありません。

2倍ぐらいだったらそんなに悩まずにすみますが。

撮影でいちばん楽であると思われるのは、ベローズ+スライドコピーアタッチメントのセットで、スライドコピーアタッチメントをいじってここに被写体を載せます。シリコーン粘土止めがいちばん簡単でしょうか。

これを三脚に載せればかなりの振動はキャンセルできるかと思います。

PB-6 オプションのマクロ撮影台とか使えば平面物は簡単に固定できるかと。

もちろんレリーズ使用、ミラーアップはできたらした方がいいです。できなかったら露出ディレイでタイミングをずらさないとミラーショックでひどくぶれます。

レンズのお勧めは、EL Nikkor 50mm F4 のリバースです。

これをリバースにして、M34.5 をボーグ 7848 で M42 に変換します。

被写体は HD の磁気ヘッド。倍率は 3倍に設定してあります。

F = 11 です。回折による解像度の低下が気になりだすぐらいの絞り値です。

解像度を求めると、Apo rodagon N 50mm F2.8 もいい線ですが、絞りの形状が五角形ですのでボケが汚くなります。

このレンズを用いる場合は、M40.5 を1回 7849 で M34.5 にして、これを 7848 で M42 に変換します。

Micro Nikkor 55mm F2.8 ではこうなります。

このレンズは 0.5 倍のところに設計倍率があるらしいので、等倍を超える撮影ではリバースにします。

リバースアダプターはニコンが 52mm 用を作っています。

EL Nikkor のリバースの純正アダプタはこういうものです。貴重品で、なかなか入手できません。

こうやって、前後逆に取り付けます。

レンズはEL 135mm F5.6、アダプタリバーシングアダプタで L39 にして、これを BR-15 でFマウント化して、マルチフォトのシャッターに付けてあります。