S-Orthoplanar
S-Orthoplanar は Carl Zeiss が設計した倍率の大きな引き伸ばしレンズで、フォーマットにあわせて 50 mm, 60 mm, 105 mm の三種があります。
たいへん珍しく、市場に出ることはかなり稀です。
生産本数は 50 mm で 500 本弱、60 mm で 1200 本、105 mm で 300 本弱しかないという希少玉。一番見かけるのは 60mm ですが、それでも奪い合いになります。
このレンズは、オルソメターの前後にさらに収差補正のための玉を1枚(60 mm) もしくは2枚(50 mm, 105 mm) 加えたもので、高い解像度と充分な収差補正により、ほぼ完璧とまで言われる玉です。
次の図の (b) が S-Orthoplanar 105mm の設計です。(ちなみに (c) は S-Biogon です)。
こちらは S-Orthoplanar 60mm の設計と MTF (link)。
非常に高い性能を示すものの、レアすぎて使うのが怖かったりもします。
前玉が極めて傷つきやすく、取り扱いには十分に注意が必要。
リバースにして高倍率5-8倍ぐらいで撮影すると、カリカリの素晴らしい像を結びます。
このシャープネスは、昨今のオールマイティマクロレンズのリバースでは到達不可能。
一生モノのレンズです。