アルミニウム

明るい銀白色でおなじみのアルミニウム。

軽く、比較的安定で、密度のわりに強度が高いので、軽金属の代表として賞用されます。

航空機材料には無くてはならない元素です。

次の写真は、アルミニウム鋳造に失敗して、湯が抜けてしまった部分に成長していた、金属アルミニウムの樹枝状結晶(デンドライト)です。

幅 15 cm あり、かなり大きなデンドライトです。

次の写真は融解したアルミニウムを徐々に冷却固化させたものです。

なかなか大きな結晶になりませんが、結晶粒ははっきり見えます。

拡大すると、結晶集合体の羽毛のような樹枝状結晶が表面に確認できます。

精錬に多くのノウハウと多量の電力を必要とし、「電気の塊」と呼ばれることもあります。

地下資源としては、「ボーキサイト」と呼ばれる風化残留によって生じた不純な酸化/水酸化アルミニウムを用います。 ボーキサイトはアルミナやギブス石、ベーマイト、ダイアスポアなどからなるアルミニウム酸化物の俗称で、日本にはありませんが大陸には多く存在します。 写真は大分県、木浦鉱山のダイアスポア(ジアスポル)です。天然のα-AlO(OH) で、アルミニウムの非常に多い変成鉱床に、エメリーと呼ばれるコランダム(アルミナ)と共に、たまに見つかります。 中学時代に採集した、懐かしい標本なんです。

こちらはコランダム。最も安定なアルミナ(酸化アルミニウム)です。

これは岩手の森の中に転がっているもの。黒っぽい六角結晶が鉄を含んだ青いコランダム、いわゆるサファイアです。

奈良県には、小さいが宝石のようなサファイアが見つかります。

長石をはじめとして、アルミニウムを含む鉱物は多く、いたるところに見られます。

微斜長石の結晶(山梨)。左の白い結晶です。右の無色透明なのは水晶です。

温泉地では、岩盤中のアルミニウム分を硫酸が抽出し、噴泉周りに硫酸アルミニウムの水和物が見つかることも。アルノーゲンという名前が付いています。動物の毛みたいな玉を作ることが多いですが、脆くて簡単に水に溶けてしまうので、眺めるだけ。

アルミニウムは軽金属の代表として、多くの用途があります。

強度が高く、粘り強く、軽量で酸化に強く、かつ美しい、という金属はなかなかありませんよね。