ルテニウム

白金族の重鎮、ルテニウムの結晶です。六方最密の結晶構造で六角板状結晶になります。

実際には、エッジが削げて、緑鉛鉱のような結晶ですね。

一番大きい結晶は、六角板状の真横から見ているので、下のこまい結晶の方が典型的な六方晶系に見えます。

一番大きな結晶は骸晶気味。

野依先生の不斉触媒、あるいはオレフィンメタセシスのグラッブス触媒など、有機工業化学での利用分野が花開いた金属元素です。

ちなみに、天然でも単体で産し、端成分に近いルテニウムが発見記載されたのは北海道で、日本の新鉱物の一つでもあります。

古くはルテノスミリジウムという名で、ルテニウム-オスミウム-イリジウム合金が北海道の河川で採鉱されました。

万年筆のペン先などに用いられたことも。