ランタン

ランタノイド系希土類トップバッター、ランタンです。

単体としては酸化されやすい銀白色の金属で、空気中ですぐ黄ばみ、その後ゆっくりと独特の青紫色を帯びてきます。ランタノイドでは最も酸化されやすく、逆を言えば還元剤としての能力が高く、他のランタノイドを還元精錬するのに使われたりもします。

ランタンは光学ガラスによく用いられます。

光学ガラスは、ざっくり分けると屈折率が高く色分散の大きいフリントガラス、屈折率が低く色分散の小さいクラウンガラスに分類でき、屈折率と色分散の程度(アッベ数)によって非常に多種のガラスを設計します。

屈折率の高い側のフリントガラスでは、以前は鉛酸化物を多量に混ぜて屈折率コントロールをしていましたが、鉛には有害性があり、少しずつ鉛を置き換える試みがなされてきました。その一つがランタンガラスです。これは屈折率に対するアッベ数が比較的高く、独特の光学特性を示すので、光学設計のスパイス的な存在です。

新ガラスですがもう40年以上の歴史があり、失透せずに脈理の無い比較的大きなブロックが作れるので、高性能レンズには無くてはならないものです。また、清澄なガラスが得やすく、清澄剤であるヒ素を使わないですむのも利点でしょう。

下の写真手前左が、重ランタンフリント16番のブロック。サプライヤーはオハラ。

砂摺りなのでわかりづらいかも。