フランシウム

フランシウムは短寿命の放射性元素で、アルカリ金属に属します。

ただし、安定同位体が無く、一番超寿命の核種でも半減期が22分程度。みるみるうちに壊変する短寿命核。

天然存在が確認されている元素のうち、最も寿命の短い元素です。

ウラン―トリウム系の鉱物に子孫核として含まれ、特に U235 系列の四番目の娘核種として Fr-223 が出てきます。

例えば下の銅スクロドフスカ石ですが、おそらくこれには約 5 g 程度のウランが含まれていますので、ここから計算するとこの標本中には約 13000個のフランシウム原子が含まれている勘定になります。

多いようですが、これは極めて少ない量です。

そのため、純粋にフランシウムを取り出すことも極めて困難で、可視光で単体の写真を撮った人もおりません。

太陽の中には 8 ppb ほど存在すると言われていますが。

銅スクロドフスカ石は銅のケイ酸ウラニル塩鉱物で、この学名はキュリー夫人 (Marie Skłodowska-Curie)の旧姓から戴いているのですが、フランシウムはキュリー夫人の女性アシスタントの一人、Marguerite Perey によって見出されたものです。たいへん女性と縁が深い元素なのです。

もし単離することが可能なら、おそらく室温で液体の、極めて活性が高い銀白色の金属であろうことが予測されています。