フッ素

フッ素(F2) ガスは極めて淡い黄色(ほとんど無色に近い)の刺激臭の強い気体で、様々な金属や有機化合物と反応する厄介なものです。

ガラスともゆっくりと反応しますが、フラスコをすりガラスにするのを覚悟で、フラスコにフッ素ガスを導入し、あわてて撮影すると、こうなります。

中に何が入っているのかほとんど視認できませんが、フッ素というのはそういうものなのです。

毒性が非常に高く、取り扱いには経験と設備を必要とします。

撮影風景

無色透明の蛍石(天然のフッ化カルシウム)です。ロシア、シベリア産です。

蛍石 (fluorite) CaF2, cub., Fm3m

Nikolaevskiy Mine, Dal'negorsk, Primorskiy Kray, Far-Eastern Region, Russia

結晶高: 1.7 cm

Nikon Micro Nikkor 60mm/Nikon D3

フッ化カルシウムの窓材です。スペクトル測定などに用いることがあります。

レンズにフッ化カルシウムを使うことがあります。

特に紫外線透過性を確保したいとき、光学性能を十分に上げたいときには、フッ化カルシウムの単結晶(蛍石)をよく用います。

下のレンズの写真は、紫外線―可視光―近赤外線をカバーする非常に珍しいレンズですが、レンズ第一群(前玉)が合成フッ化カルシウム単結晶になっています。

ある種の植物は、フッ素イオンを貯めこむことがあります。

特にツバキ科の植物はフッ素を取り入れて濃縮することがよく知られています。ツバキ、サザンカ、チャなどですね。