モリブデン
浮遊再溶融法で作成したモリブデンの塊です。
結晶粒界が見えています。
銀色の金属ですが、ゆっくりとくすみやすく、わずかに黄ばんでくる傾向があります。
モリブデン板を引きちぎったものです。
モリブデン鉱床の露頭の写真です。
岩手県の廃モリブデン鉱山の坑口脇に見られる輝水鉛鉱(天然の二硫化モリブデン)です。
独特の青みがかった銀色の金属光沢の鉱物で、野外で見かけると、すぎにそれとわかります。
写真を撮影した日が大雨で、ちょっと岩が濡れていてわかりづらいのですが、真ん中あたりの白銀色の鉱物がそれです。
モリブデンの主要鉱石鉱物は輝水鉛鉱で、鉛色の二硫化モリブデンです。
小さな鉱床は各地にありますが、世界でも指折りの巨大な結晶は、平瀬鉱山(岐阜)で多産しました。
手のひらぐらいのサイズの結晶が多数出て、一時期は標本市場にけっこうありましたが、最近は全く見なくなりましたね。
鉛色の六角板状の結晶です。非常に軟らかく、紙とこすり合わせても摩耗してしまうので、くたびれていない保存状態の良い標本は、あまり多くありません。下の写真は京都・益富地学会館の自慢の標本で、エッジが磨耗せずきれいに残っています。
六方晶だということがよくわかりますね。
輝水鉛鉱 (molybdenite) MoS2, hexganonal, P63mmc
岐阜県大野郡白川村平瀬 平瀬鉱山
益富地学会館蔵
左の結晶長: 2.0 cm
Nikon Micro Nikkor 60mmF2.8G/Nikon D800E
モリブデンは合金鋼として利用することが多いですが、こんなのも。
モリブデングリスです。
二硫化モリブデンを多量に含み、その固体潤滑作用を利用しています。
真っ黒なグリスで、手や衣類をひどく汚す癖はどうしようもありませんが、よく潤滑してくれます。