最近の処方箋はQRコードが印刷されているみたいですが・・・。
(QRコードは株式会社デンソーウェーブの登録商標です)
病院薬剤師の立場としては、今のところ利用することはあまりないのですが、これが利用できると、とても便利なのは言うまでもありません。
ただ、病院側にお金かけてまでというメリットが感じられないので、なかなか進んでいない?ように思います。
新しいシステムには自動的についてそうですが。
さて、他のシステムに依存しない単独ソフトを作ったとき、あれを使って入力できると便利かな?と思い、ちょいと調べてみました。
とりあえず実物のバーコードが欲しくて探していた所、たまたま機械の展示会みたいなものがあったので、サンプル処方を入力してもらい、バーコードを作ってもらったのですが・・・読み取ったものがどう見てもおかしい・・・。
仕様書と全然違う・・・。
そこでネットを検索すると、サンプルのバーコードもあったのでよく見ると、なんかバージョンNoが・・・。
さらによく見ると、処方箋用とお薬手帳用とかなってる・・・。
どうやらそういうことらしい。
で、バーコードの中身を仕様書とにらめっこしながら確認してみたのですが、これが非常に
方法はそんなに難しくなくないのですが、あまりに項目が多くて・・・。
でもね、ソフトってこのめんどくさいの塊なんですよ。
そのまま載せると色々ありそうなので、微妙に修正していますが、サンプルバーコードを読み取った物がこれです。
(処方箋用です。お薬手帳用とは全然違います。)
1行目の
JAHIS○
がバージョン番号のようなので、読み取った値が
「JAHIS+バージョン番号」(お薬手帳用では「JAHISTC+バージョン番号」だそうです。)
で始まっていれば処理の続行、そうで無ければキャンセルでいいと思いますが、その続きが。
各行一番左端の数値がその行が何を表記しているかを表しています。
例えば処方箋用だと、11、12,13から始まる行は患者情報だそうで
「11,123456,案本○太郎,ヤスモト タロウ」
となっていたら、
患者情報の行だよ、患者コード、患者氏名、フリガナ
「12,1」
となっていたら
性別の行ですよ、男
ということになります。
13は生年月日なのですが、正直作る方からしたら和暦はやめてほしい。ということで今回は無視というか、和暦だと吸い込まないと割り切りました。
続きまして、自分で作ったソフトに必要な部分だけ(最低限、薬剤名のみ)吸い取れればいいのですが、パターンが色々ありまして、
例えば
201,1,1,1,6,114962301,,1,1,錠
(処方箋用です)
この行で薬と単位を指定しているようなのですが、また仕様書みますと
1,レセプト電算コード
2,厚生省コード
3,YJコード
4,HOTコード
5,一般名コード
これらのどれ使ってもいいみたいで、ということは、薬剤の検索パターンもこれだけ作らないといけないわけで、さらにこれだけのデータ全て準備しないとソフトが作れないわけです。
あと、力価表記ってのもありまして、読み取った後、どうやっても手入力で修正しないといけない場合なんかも想定しておかないといけません。
どういうことかというと、アムロジピン錠(10mg力価)という場合がそうなのですが、10mg×1錠でも5mg×2錠でも2.5mg×4錠でもいいわけで、さらにバーコード化されたデータに薬剤コードが含まれない場合もあるようで、そうなると一般名アムロジピンで検索すると、合剤まで検索結果にということにもなりかねません。
※当然ですが処方箋用だけです。お薬手帳用にはありえないです。薬剤決定してますから。
これをお薬手帳用も作らないといけないのか・・・。
でもこの仕様を統一する作業、けっこう大変だったろうなあ。
ボタンは作ったので続きを作成しないわけにもいかなくなりました。
最終的にはボタンが小さく押しにくいという理由でポップオーバーに配置しましたが。
ちょっと面白いなと思ったのは、処方箋用の場合、薬剤名よりも用法容量のデータが先にくるようです。
1日3回毎食後の指示があって、その次にセルベックスみたいに。
お薬手帳の方は薬剤名が先みたいです。
今のところですが。
バーコードを使うことで、ネットワークがつながっていなくても、ある程度データの共有が可能です。
自分のところのシステムがQRコードを出力する機能がなければ手入力しかありませんが。
個人情報ですから扱いに十分注意が必要なのは当然ですが、入力してしまえばネットワークが無くても処方の確認や、その処方に対する添付文書の確認にも使えます。
さらに詳しく調べたければ、フリーの添付文書集ソフトを使うことで、iPod1台あれば、なんとなく事足りるシステムが出来上が・・・。
注射は今のところ触ってませんが。
今年はなんか近くで薬剤師会の学術大会があるそうな。
久しぶりに、ちょっくらポスター発表でもしてみますかねえ。このソフトの機能はこれがメインというわけではないので。
20190428