iPhoneでバーコード監査

FileMakerで初めて作成した、iPhoneを利用した内服配薬時のバーコード監査ソフトなんですが、実は職員から一番食いつきがよかったです。


まあ、携帯がiPhoneの人しか使えませんし、そもそも個人の携帯にそんなもん入れて使うのどうなのよ?ってとこもありますが。それならtouch購入すればいいわけで。そもそも個人情報は一切関係ないソフトではあるのですが。

ただ、分包紙にバーコードを印刷されている施設は正直少ないですよね。

他院からの持参薬に印字されたもの、まだ見たこと無いです。


分包紙のデザインフリーの機械だと、おそらくバーコードを印刷する機能はあるのですが、使い道無ければその分薬剤名印刷するのは当たり前なので・・・。


安い機械?分包紙?だと、バーコードを印刷する向きも指定されます。


私の施設で使っている機械は分包紙に対して垂直(まあ見ての通り)に印刷しなければ、バーコードの幅が変わってしまい、あとから読み取れなくなります。その上、ケチって真ん中にだけ帯があるタイプなので、あの位置にバーコードをきれいに収めるには、分包機の普通は触らないはずの設定ファイルから、分包紙の余白設定をいじくって、やっとこのようにきれいに収まるようにしています。ってどこかに書きましたが。


排出方向に平行に印字できれば、全然苦労せずに済んだのに・・・。

※最近は患者番号をQRにして印刷できるようになっていました。

作業に使うならむしろiPod touch

試しに作成したソフトを自分の8+で試したところ・・・でかすぎる。


バーコードを使った監査に使いたいなら、少しでも小さなデバイスの方がいいと思います。特に手が小さい看護師が使うことを考えると、通常のiPhoneでも大きいかも。


SEもしくはiPod touchを選択したほうがいいように思います。当然ですが、用途、予算に合わせてですね。

って、ちがーーう!やりたいことはこれじゃない!


目的はあくまで注射薬与薬時の患者監査です。薬剤の監査は薬局からの払い出し時にすでに行っていますので、GS1に対応していなくても問題ありません。


ただし、注射ラベルに印字したバーコードから、誰のものかを判別して監査しなくてはいけません。さらに院内どこでも無線LANが届くようにはなっていません。


ということは、インポートとか、同期の作業が必要になるんです。

まあ、今のWinタブとAccessを使った監査も同じなのですが。

では私は一体iPhoneで何をしたいのでしょう?と考えてみると、

1、バーコードでログイン

2、MySQLから必要なデータをインポート

3、ベッドサイドに持って行ってバーコードによる患者監査

4、持って帰ってきて監査済みの情報をサーバーに返し(同期)、次のデータを取り込む

5、放置した時のことも考え、一定時間何も作業しなければログイン画面に戻る

これだけです。

実際Accessではこのようなことをしています。


ただこれが、FileMakerだと大したことがあるようで、AccessみたいにクエリとかSQLを使って一括更新とかがちょっと無理っぽい。


まあ、監査用端末で新たにレコードが発生するということはないので、よくある同期処理に比べると多少楽なのか?と

さて、FileMakerGOには当然ODBCドライバーなんて入るわけないですから、直接MySQLのデータを取り込むことはできません。


ではどうしようかってとこなんですが、FileMakerProでMySQLのデータを読み取るだけのファイル(とりあえずAとしましょうか。)を作成し、そのファイルAを読みに行くようなものを作成してあげればいいのでは?と思いまして試したところ、なんかうまく行きそうです。

FileMakerの同時接続制限に関しても、ProにGOから接続するのは同期処理の時だけなので、相当数の端末を用意しなければ、同時に5台には、なかなか到達しないとおもいます。

そもそも職員一人に1台持つわけでもないですし、MySQLとODBCを使う場合、この同時に5という接続数も・・・。

では順番にログイン画面から、と行きたいところですが、まずはインポートから。データがないとプログラムを試すこともできないので。


MySQLと同じ構造のテーブルを準備し、ここにMySQLのデータをインポートしていきます。


作成したテーブルは、

1、ユーザー

2、患者データ

3、薬剤データ

4、処方データ

の4つ。


患者監査にしか使いませんので、薬剤データのテーブルは実のところ必要ないのですが、出来上がった画面に数字だけ表示されるのもどうなの?ということもありまして、作ってみました。


但し、流し込むデータは必要最低限にしておきます。データが増えれば同期にかかる時間も増えますので。


それから個人情報のことも考えると、患者データテーブルも必要ないのですが、ここはなんとなく・・・。データ流し込まなければいいだけですし。

(患者データテーブル必要そうですが、実は必要ありません。監査に利用する患者IDはリレーションを設定するため、処方データに含まれているはずなんですよ。氏名表示させたければ必要です。)

色々あるでしょうが、こんな感じで。

iOS側でデータは発生しないので、丸ごと削除してから新たにデータをインポートする形です。

読み取り先はIPとかパスで指定できるようです。とりあえずIPで指定しています。

これを繰り返して必要なデータをiPhoneに取り込んでみました。

これでやっとログイン画面が作れます。画面はというと

こんな感じですかね。


バーコードスキャンボタン押したらバーコードリーダーが起動して、読み取ったらその値をLoginの下にあるフィールドに保存、その値がユーザーの中にあるかどうか検索、あればそのユーザーIDを保存して先に進む・・・


それを実現するために、

FileMaker特有の、一時的な値を保存するためのグローバルフィールドだけで作成したテーブルです。

慣れてくるとこれが結構便利です。

Open_Timeってのは一定時間経過したら自動的にログアウトするためのものです。

これをもとにログインレイアウトを作成しています。

ボタンを押したら「デバイスから挿入」でバーコードを選択、あとはお好みのタイミングに合わせてスクリプトを実行するだけです。

レイアウト名は無視してください。


要は職員用のバーコードを読み取ったら、その値を変数に保存しておいて、職員データを基に作成しておいたレイアウトに移動、その値で職員を検索し、あれば先に進み、ついでにログイン時間も保存、なければ元のログイン画面に戻ってメッセージを表示という具合です。


他の方法もあるのか分かりませんけど、なんかこんなのでも動きました。

同期というかインポートをして、監査ボタンを押してあげると

このような画面になっています。


氏名は表示されません。IDのみが表示されます。そもそも氏名や生年月日は取り込んでいませんので最悪機械を紛失しても・・・。


バーコードのいいところはシステムに依存しないってとこですね。Accessで作ったラベルのバーコードを読めば、問題なく検索してくれます。


ラベルのバーコードでデータ検索後、続けてベッドネームのバーコードを読み取れば

正解の「音」が鳴り、監査した職員のIDを保存すると同時に色が変わります。

患者が間違っていれば、

いつものこの画面が表示されます。

やりたいことはとりあえずできあがりました。iPod touchの大きさもいい感じです。

それから充電時のプラグ部分破損の問題なのですが、最近流行りの置くだけ充電を使ってあげれば少しは長持ちするのか?と思いまして、

こんなものを・・・。充電器の方も購入する必要がありますから、またしょうもない出費に・・・。


届いてみたら酷い作りで、シールも表裏ずれてるし、ちゃんと貼れてないから中身のコイルも見えてるし・・・。


微妙な厚みがあるので、その分ケースが膨らんでしまってますが、何とか入りました。

ハードケース使ってますからきついですが、ソフトケースにしてしまえばいいのかな。

ただ、充電はちゃんとできたので、まあ良しとしますかね。

棚卸とかやりたいならiPod touch使えばとても便利なのでは?と思います。まあ、医薬品GS1には対応していないので、今のところGS1を使わない他の業務、または対応したバーコードリーダーを別に準備する必要があるのですが、比較的簡単に業務に導入できるところも多いのではないでしょうか。


ハンディーターミナルを準備する必要もないです。

そもそもあれを制御するソフトは素人がチョロっと作るのは無理ですし、せっかく作っても汎用性ってものが・・・。

そして、やっぱり実機で試してみないとということで、iPod touch 第6世代を購入してみました。


結果からいいますと、読めます。ただ、バーコードにピントが合うのに多少時間がかかることがります。


バーコードリーダーを使い慣れていると、多少イラつく場面もあるかもしれませんが、業務にもなんとか使えるレベルだとおもいます。


また、バーコードに対してカメラが斜めになると読み取れないみたいで、


「画面に対して真っすぐ、または真横にしてあげると」


読み込んでくれました。画面に対して45°だと読み取りません。オムニスキャンではないって言えばいいかな?

当然裸のまま渡すなんてできませんので

こんなケースを購入してみました。防水ってかいてありました。

熱とか大丈夫かよ?と思いつつ、置くだけ充電にも・・・。本来リンゴが見えるところが充電シートで隠れてみえませんが、充電はできます。


充電シートは上の写真のものとはまた違うものです。ただ、ケーブルの長さの問題で、touchに使えるものは制限されてきます。

これ、結構いい感じだと思います。ポケットに入れようが、首にかけて使おうが、あとはご自由になんですけど、なんか業務端末みたいです。

かかった価格は

iPod touch≒2万円(メーカー再生品)

Qi (チー) ワイヤレス充電アダプタ レシーバーシート  1280円

置くだけ充電パッド  1300円

ケース  1100円

合計2万2千円

これを安いとみるか、高いとみるかは考え方次第ですが、個人的には「あり」だと思います。そりゃそうですよね。これより安い機械ってなかなかないですもん。

と、色々自腹も切りながら、実際の業務はと言いますと

バーコードリーダー使った方が早い!!

ここまでやってなんだそりゃ?ですが、やっぱりiPodのカメラでいちいち画面見ながらピント合うまで待つよりも、バーコードリーダーで読み取る方が断然早いです。

せっかく出来上がったので、iPodのカメラを使って監査業務を試したところ、思ったほど読み取りが効率的ではありませんでした。はじめからこれが当たり前と思っていればよかったのですが。

※バーコードを読み取る頻度にもよります。バーコードリーダーを起動してBluetoothがつながる時間を待つくらいならという場合も考えられますのでそこはよく考えましょう。


また、バーコードを読み取る場合、何かにはさんだ状態のバーコードを読み取ることって結構あるのですが、カメラを使った場合、ピントが合うのにさらに時間がかかったり、少し色の濃いものにはさんであると読み取れないということもありました。

バーコードリーダー持ってない場合はカメラを使って代用できます程度で考えた方がいいかな。

そうでなければわざわざiPod touchに取り付けるカバーみたいなバーコードリーダーなんて売ってないんですよ。バーコードリーダーの方がiPod touchの3倍近くするのに・・・。

まあ、そこまで高価なものは必要ない気もしますが、そこまで高い金額になったとしてもiPodとバーコードリーダーを別々に持つよりも作業効率がいいと思われる大きな企業や病院も実際あるわけです。

久しぶりに内服の配薬監査ソフトをさわることがあって、そろそろこんなのもどこかが商品化してるんじゃないの?と思ったら出てました。価格も結構取られるみたい。

ちょっと私も販売してみようかしら。

どんなものかはここの一番下の動画見てください。動画は古いのでwindowsのタブレットですが、あれがiPhoneに変わっていると思っていただければ。