アドホック受付嬢ルルノリア「あけましておめでとうございます! ハックさんは今後帝国はどう動くと思います?」
依頼主・アドホック受付嬢ルルノリア(祈装傭兵組織アドホック)
概要・受付嬢からの質問に回答し、今後の展開を決定する
シナリオタイプ・特殊
シナリオ難易度・無し
主な味方NPC・受付嬢「ルルノリア」
ステータス上限・無し
シナリオ参加条件・PCが「ハック=F・ドライメン」である事
祈装傭兵組織『アドホック』、港湾都市アヴリオンにある、いかなる国家に対しても中立を宣言している広域傭兵互助組織だ。
その実態は傭兵ギルドのようなものだと思えばおよそ間違いがなく、通称も「アドホック傭兵ギルド」である。
翼を広げた渡り鳥の紋章を看板に掲げるこの店は、一階は依頼受付所兼酒場となっていて年明けである本日も傭兵達で賑わっていた。
「ハックさん、明けましておめでとうございます」
艶やかに長い黒髪の、普段は受付にいるルルノリア嬢が、普段よりも華やかな服装に身を包んで、貴方の座っているテーブルへとやってきて挨拶してきた。
ゼフリール島においても新年は一般に祝われるものである。無事に年の瀬を超えられたと。その為、年明けからしばらくの間の挨拶は祝いの言葉だ。
「去年はハックさん、大活躍でしたね。昨今のヴェルギナ・ノヴァ帝国の伸長はハックさんの大車輪の活躍があればこそと思います。その帝国が現在、島の情勢を動かしていますから、つまり、ハックさんこそがこのゼフリール島の情勢を生み出している存在と評して過言ではない」
黒髪の受付嬢は「あ、席良いですか?」なんて言って返事も聞かずに対面の椅子に座りつつそんな事を言ってきた。
「ですからアドホックとしてはですね、今注目の傭兵であるハックさんに是非とも幾つかお聞きしたい事があるんです。よろしければご回答いただけないでしょうか? 金一封な寸志ですがお礼も出しますから」
あ、勿論、今回の飲食代金はギルドが持ちますよ、との事。
あれこれ聞かれるのは面倒な気もするが、飲み代が浮くのなら少し話すぐらいは良いだろうか?
貴方はにこにこと満面の笑みを浮かべている黒髪娘に見つめられつつ思案するのだった。
■解説
年明けのアドホック一階のテーブルで酒杯片手に軽食をつまみつつギルド受付嬢とする会話。
この会話でのPCの返答によって、ゼフリール島の今後の展開が分岐する(=出て来るオープニングの内容が変化する)
いわゆるルート選択回。
ルルノリアからの質問は以下四つ。
Q1.
「ヴェルギナ・ノヴァ帝国はフェニキシア王国を制圧しましたけど、ハックさんは今後は帝国はどう動くと予想しますか?」
現状、アヴリオンの巷では「西の帝国はこのように動くだろう」と様々な予想がなされている。
一般の予想は大別すると三つに分かれている。
・一つ目
「内政を重視」
フェニキシア王国を降伏させ平定したとはいっても、その国内には賊や魔獣や魔物の類が相変わらず多くはびこっている。
民心も完全に帝国に懐いたとは言い難い状況にあるから、まずはフェニキシア地方の治安の回復や道や水路等の整備を第一として行動するのではないか。
その為、フェニキシアでの内政が落ち着くまではユグドヴァリアへは大々的には攻め込まないだろう。
という予想。
(PCもこの系統の意見で返答した場合、しばらく内政にまつわるシナリオが中心になる)
・二つ目
「軍事攻勢を重視」
戦は可能な限り速やかに終結させるべきである。
また、今は帝国は有利にあるが、時の経過によって情勢が帝国不利なものに変化しないとも限らない。
順調に見えても不安要素というのはひょっこりと出て来るものだ。
噂の中には、プレイアーヒルを守る老将『ガルシャの雷神』と謳われるジシュカ騎士団総長の持病が急速に悪化していて、彼はもう何時死んでしまってもおかしくない、なんて噂まである。
恐らく大公国側が流した願望だろう、というのが大勢の見方ではある。
しかし強兵にして大軍であるユグドヴァリア大公国の攻勢をヴェルギナ・ノヴァの北方守備隊が寡兵で防げているのは、地形的な有利のみならず、隻眼の名将の巧みな戦術と統率力、個人的武勇があってこそだと言われている。
その為、もし仮に老将ジシュカが病死すると北方戦線の戦況は五分に持ち直されるどころか帝国側の不利にさえなりかねない、と言われている。
それだけかの隻眼の老将は名将であり、帝国の北部軍はその力に頼りきっている。
その為、一部の者達はヴェルギナ・ノヴァ帝国は今後すぐにでもユグドヴァリアへと大攻勢を仕掛け、雷神ジシュカが健在な間にこの島内戦争を集結させてしまおうとするに違いない、と予想しているそうだ。
またジシュカの持病に関する噂は信じていなくても、戦争状態は長引かせて良い事はないから、優勢にあるうちに勝負をつけようとするだろう、と考えている者は多い。
(PCもこの系統の意見で返答した場合、以降のシナリオは対ユグドヴァリア大公国との戦争シナリオが中心になる(フェニキシア王国での内政系のシナリオは出なくなる))
・三つ目
「その他」
内政も軍事も両方やろうとするんじゃないかとか、トラペゾイド連合王国に援軍を送って対異界戦線に助力するんじゃないかとか、前述の二つとは異なる意見。
ここまでに記述が無い独自の予想(帝国は今後こう動くだろう)を述べても良い。
(PCがこの系統の意見で返答した場合、実行可能そうだったらその意見にそった形のシナリオが出る)
Q2.
「雷神ジシュカの持病が悪化してるって噂がありますけど、あれ本当だと思います?」
難易度調整的な質問。
「本当という事もありえるのでは?」などYES系の場合、ジシュカが途中で病死して戦況に変化が起こる。
ヴェルギナ・ノヴァ帝国側に立って戦う場合、難易度が急上昇する。ハードモード。
ユグドヴァリア大公国側に立って戦う場合、難易度が下がってウルトラC決めなくても順当に勝てる可能性が出て来る。
「大公国側が流した流言じゃない?」などNO系の場合、ジシュカは死なない。
今後は比較的帝国側のイージーゲームな展開でシナリオが進んでゆく。
Q3.
「去年(1205年代)の仕事で一番印象に残ったのはなんでした?」
言葉にして答えても良いし、ルルノリアには答えず心の中で思うだけでも良い。
心情系ロールを回す為の質問。
特に無ければこの質問に対するプレイングをかけなくてもOK。
Q4.
「ハックさんは今後もヴェルギナ・ノヴァ帝国を助力する依頼を引き受けてゆく方針ですか?」
今後は帝国には協力しないなど否定的な答えの場合、今後出るオープニングがヴェルギナ・ノヴァに敵対的な立場からの依頼であるものが中心になる。
帝国を助力する依頼を引き受けていくつもり、など肯定的な答えや、どうするつもりかはわからないなど不明な回答であった場合は、ヴェルギナ・ノヴァ帝国自身やそれに友好的な立場からの依頼が中心になる。
●備考
質問に回答する際、PCは好きな飲み物や食べ物を飲食可能。
アドホックは港湾都市なので名物は海の幸(焼き魚や煮魚、刺し身もある)だが、ステーキなどの肉類も北のデュシスペディオンから豊富に輸入されているので美味しく安価に食べられる。
パンやパスタに並んで米類も提供されている。
イタリアン的なものが多いが、交易で栄えている巨大都市なだけに他文化の物もごったまぜである(大抵の料理はある)
ルート選択回な会話シナリオへようこそ、望月誠司です。
個人的にはルート分岐が出来るゲームは大好きです。(デア・ラ〇グリッサーとか(古い))
展開を左右する者こそが主人公、と思うんですよね。
そんな訳で、今後の展開はこんな感じが良いと決定できた方が面白いんじゃないかと思いこのシナリオを作成してみました。
ご興味惹かれましたらご発注いただけましたら幸いです。