北の雷狼大公ソールヴォルフ「ゼフリールはゼフリールの人間の手によって治められるべきだ」
太古の時代、フェニキシアより北へと向かった人々が建てた国。
国土の大半が草原と荒野と、そして雪原と森とに覆われている。
寒冷で、厳しい大地に生きる屈強な人々の国。
定住している人間も多いが遊牧民も多い。
長らく多くの部族に分かれて互いに争っていたが、やがてハイエルフのソードマスターと同盟したエルダールガルズのユグドヴァリア一族が力をつけ、諸民族を平定して大族長となった。
その後、フェニキシア王国より王に次ぐ者として大公の称号を与えられ、ユグドヴァリア大公国を建国した。
初代大公の死後、紆余曲折があってフェニキシアから独立しハイエルフも姿を消したが、伝統的にフェニキシアとは友好的な関係にある。
伝統的にフェニキシアと仲が悪いガルシャとは微妙な関係。干戈を交えた事もしばしば。
ただし、トラペゾイドがゼフリール島にやってきてからは、トラペゾイドとこそ最も対立するようになる。
ゲームスタート時点の時代でもユグドヴァリアは貴族から一般市民まで揃ってトラペゾイドに対して悪感情を抱いている。
無論、中にはそうでない者もいるが、数は多く無い。
ゼフリールの完全な独立を勝ち取る為に戦う、と大公ソールヴォルフはスローガンを掲げ、それに賛同する多くの臣下や大公国の民達から強い支持を受けている。
●ユグドヴァリア大公国を構成する州
エルダールガルズ州
アールヴガンド州
レイヴィスキョルド州
グルヴェイグヴィズリル州
ドヴェルグロギ州
の五州からユグドヴァリア大公国は構成されている。
以下にユグドヴァリア大公国において代表的な都市である各州の州都を記す。
(なお州都以外の街や村も記述はされないが国内に存在している)
〇13 銀狼の谷都ユグドヴァリア
銀狼山脈の出入り口、白牙の谷間に建つ都市。
エルダールガルズ州州都。
岩塩と霊鉄鉱石、ユグド樹が特産。
古代ユグドヴァリアの族長は塩と鉄と火を巧みに用いて周辺部族を制圧した。
またユグド樹を用いてルーンを刻まれた盾は軽く頑丈で光魔を帯び、強固な防御を誇るという。
大公国が成立する以前は幾度も攻められたが天然の要害であり、その悉くを跳ね返している。
現代でも北部で最も力のある都市で、ユグドヴァリア大公が領有している。
現大公はソールヴォルフ。
彼は前線に居る事が多いので、実際の統治は専ら臣下に任されている。
領主 北の雷狼ソールヴォルフ
統治者 エルダールガルズの白狼ユルグ
〇14 霊森の魔法都市ルーンヴァルト
年中雪が積もっているのと、ユグド樹で構成された深い森の中に建つ古の魔法都市。
アールヴガンド州州都。
エルフが多く住んでいる。また霊森の奥地には『本物のエルフ』――ハイエルフが住まうという伝説がある。
樹木は沢山あるのだが伐採が制限されている為、製材業は盛んではない。
木の実、毛皮、薬草、そして魔法薬が特産。
霊森の最奥にはユグドラシルと呼ばれるすべてのユグド樹の祖先である一本の大樹があるというが、立ち入りが禁止されている為、一般には噂話の域を出ていない。
領主・統治者 闇の道標イシルディン
〇15 神々の船都ナグルファリア
ユグドヴァリア大公国のメイン港。レイヴィスキョルド州州都。
トラペゾイドのケンヌリオス・ヘリオンに対抗してエスペランザ島を中継に大陸と交易を行っていたがパッとしなかった。
異界勢力によって寸断された為、ただでさえ少なかった交易量がさらに減り、港街の経済は大変な危機に陥っている――かというとそんな事はなく、交易業は元々大公のトラペゾイドへの対抗意識から無理やりやらせていた具合であって、メイン産業は他にあったので、大陸との連絡が寸断されてもケンヌリオス・ヘリオン程に危機感に包まれていない。
メイン産業は漁業と採掘業。
北国の首都ユグドヴァリアの食料事情は、ナグルファリアで取れた海産物が支えている。
主に塩漬けや燻製にして陸路で運ばれている。
また付近の山からは高価な宝石類が取れるので鉱業も盛ん。
そちらは主にケンヌリオス・ヘリオンの富裕層へと輸出されているので、関係者は両国の険悪な関係により取引が不能にならないかと日々ハラハラしている。
領主・統治者 レイヴィスキョルドの首領ハスティン
〇16 黄金の戦山ヴァルハベルグ
ユグドヴァリア大公国の西の玄関口にして、大陸一の金鉱脈を持つ巨大都市。
グルヴェイグヴィズリル州州都。
元々は遊牧民の領域だったが、近くの山で金鉱脈が発見されてより、度々争乱の種となってきた地域。
『戦の山(ヴァルハベルグ)』は元々は渾名。
本来は別の名で呼ばれていたのだが、世間一般からは忘れられてしまった。
ユグドヴァリア大公国が成立してからは公家が周辺の遊牧民族を従え、がっしりと掌握している。
特産品は金。及び牧畜による乳製品、肉、皮など。
現在は大公国がヴェルギナ・ノヴァ帝国を攻める為の前線都市となっている。
領主・統治者 黒血大鴉ゲイルスコグル
〇17 山と森のフィリエンホルト
北西の辺境だが、ヴァルハベルグから金が運び込まれ、この地で金細工に加工されて各地へ輸出される為、貧しい地域が多いユグドヴァリアの中では珍しく経済的に豊か。
ドヴェルグロギ州州都。
ドワーフが多く住んでいる。
ルーンヴァルト並みに森林資源が豊富だがこちらは伐採制限していない為、製材業が盛ん。
豊富な燃料を用いた細工業・製鉄業が盛んでガルシャのルアノール・ノヴァと並んで腕の良い鍛冶師が多い。
霊鉄製品と金細工品が特産。
特に金細工品はフィリエン金細工品の名で知られ、アネモニカ銀細工品と並んで上流階級で人気がある。
領主・統治者 ドヴェルグの大戦斧ギョーム