ヴェルギナ・ノヴァ皇帝アテーナニカ「良き世の中が欲しい。その為には、まず戦乱を治めなければ」
ゼフリール島の西部に位置する小帝国。
ガルシャ王国が大陸から亡命してきたヴェルギナ帝国皇女アテーナニカを皇帝に推戴する事によって成立した。
ゲームスタート時点では実態はほぼガルシャ王国に等しい。
その国土は、巨大な山脈に取り囲まれ、内部には広大な平地が広がっている。
つまり、巨大な盆地国家といえる。
国内を三本の巨大な大河が貫いており、支流である小川も多く、水害が多い。
だが土壌は良く肥えていて豊かでもある。
ガルシャ王家は水を治める一族。
水神の化身の血を引いていると伝承には語られている。
国土の大半は森に覆われている。
古来よりガルシャの人々は森と戦い、切り開き、あるいは森を崇め、共存して生きて来た。
南部では新進の気風が強いが、中央以北では太古の神秘が、森の奥深くに現代でも密やかに息づいている。
ガルシャ諸侯はガルシャ王イスクラを主君とし忠誠を誓っている。
王イスクラは皇帝アテーナニカを主君とし忠誠を誓っている。
しかし、ガルシャ諸侯は皇帝アテーナニカに対して忠誠を誓ってはいない。
王の臣下はあくまで王の臣下であって、皇帝の臣下では無い。
故に、アテーナニカはイスクラには命令できるが、ガルシャ諸侯には直接命令できない。
ガルシャ諸侯を動かすには、あくまでイスクラから命令して貰わなければならない形となっている。
全体的にガルシャ諸侯は癖はあるが各々優秀な才人であり、その結束は概ね固い。
イスクラ王に対してアレコレ言うが結局の所良く従う。
皇帝アテーナニカに対する反応はマチマチ。
しかし大半は彼女を軽んじていて、積極的に従う気が無い。
あくまでイスクラが従えといっているから従っている形である。
イスクラが後ろ盾になってはいるが、皇帝は概ね宮中で孤立している。
●ガルシャ王国構成州
ノヴァ州(南西)
ルアナ州(中央)
プレア州(北東)
ミーティア州(北西)
ボスキ州(南東)
の五州からガルシャ王国は構成されている。
以下にガルシャ王国において代表的な都市である各州の州都を記す。
(なお州都以外の街や村も記述はされないが国内に存在している)
〇1 三角州の皇都ルアノール・ノヴァ
ヴェルギナ・ノヴァ帝国の皇都たる港湾都市。
ガルシャ王国の王都にしてノヴァ州の州都でもある。
元は王都ではなかったが、海上交易によって力をつけて台頭し、王都となった経歴を持つ。
河口付近の三角州に建っている大都。
三角州の肥沃な土壌を利用し農業生産(麦等の穀物類や葡萄等の果樹類)が盛ん。
大規模な港を持ち漁業も盛んで、海の幸が豊富に水揚げされている。
ガルシャ一の豊富な人口を誇っている。島内全体を見渡しても上位。その巨大な人口にも関わらず、主食の自給率は100%を超えている。
かつては他国との海上交易も盛んに行われていた。
開戦後は海軍が強くまた取引の得意先の一つであったフェニキシアが敵となってしまった影響もあって、交易量は急落している。
ただ、低調になってはいてもアヴリオンやトラペゾイドとの交易は現在も粘り強く続けられているようだ。
(ヴェルギナ・ノヴァ帝国が基本戦略を北を防御し南に攻勢をかける、としたのはフェニキシアを打破し制海権を確保しておきたいという狙いも要因となっている)
ルアノール・ノヴァで最も盛んなのは製鉄業。ただの鉄ではなく、霊気を帯びた鉄である『霊鋼』が盛んに生産されている。
河川を利用して北方(ミーティア州)より集積される霊鉄鉱石と東(ボスキ州)から大量に運ばれて来る太陽炭と呼ばれる呪術性を帯びた特性の木炭が用いられ鋼が鍛えられている。
とりわけ、ミーティア鉄鉱石を用いて精錬された鋼は白に近い銀色になる為、雪辰鋼と呼ばれており、その性能の高さから祈刃作りなどに重宝されている。
雪辰鋼を用いて鍛えられた祈刃の白い刀剣は雪月刀、あるいはガルシアンブレードと呼ばれて評価が高く、かつての大陸との貿易でも高値で取引されていた。
領主 ヴェルギナ・ノヴァ皇帝アテーナニカ(主君 無し)
統治者 ガルシャ王イスクラ(主君 皇帝アテーナニカ)
〇2 水と森と月の古都ルアール城村
ガルシャにおいて最も歴史深いルアナ州の州都。
かつてはルアノールという名で古のガルシャ王国の王都だった。
過去にルアノール・ノヴァに王都の座を譲り、現代では畑ばかりの田舎となっている。
しかし現在でも森の魔法使い達の根拠地として名高い。
それ故に「古都」「魔女の都」とも呼ばれている。
北と東の大河が交わるところ。
土壌が豊か。
作物の実りが抜群に良い。
伝説の麦の魔女を輩出した土地であり、彼女が開発したというルアール麦、及びそれを用いた麦酒が特産。
それらに隠れがちではあるが、魔法使い達が多く集まる地であるだけに薬草や魔法薬の生産も盛ん。
木材となる資源も豊かだが、樹木の伐採を嫌う魔法使い達の勢力が強い地な為、製材業は盛んではない。
権力の推移によりガルシャの文化的及び経済的中心はルアノール・ノヴァを擁する南部に譲られたが、現代でも国土の中央に位置するルアナ州はガルシャ王国の食料庫として機能している。
プレア州やミーティア州の食料供給はルアナ州にほぼ依存している。(ボスキ州は主にノヴァ州から輸入している)
領主 森のご隠居ルルノリア(主君 ガルシャ王イスクラ)
統治者 若手魔女の星ジゼル(主君 森魔長ルルノリア)
なお森魔長ルルノリアはアドホックの受付嬢ルルノリアの祖母である(名前を祖母から貰った形)。
容姿は瓜二つで口調も非常に良く似ているが、行動と実力はかなり違う。
〇3 火と黒煙の丘プレイアーヒル
ガルシャ王国の北東国境を守る大要塞にしてプレア州の州都である城塞都市。
元々は島の土着宗教『イール』の三つある聖地のうちの一つであった丘が中心となっている。
イベレス大山脈と大河ダヌーンとが築いた狭隘に位置する。
丘の旧名をモンタナ・デ・オラシオン。
古代に旧き神々の大神殿が置かれ大いに栄えた。
時代がくだって新旧が融合した派が産まれ、それはかつて島の対話と協調の象徴だったが、さらに時が経過して別の派が生まれ盛んになると、旧き教えは異端とされた。
オラシオンの丘は旧き神々の最後の砦。
そして不落の砦。
ガルシャの王にイスクラ・ルブレが即位すると彼は宗派問題を仲裁し争いを治めた。
(この時の恩で王と同じ名を持つ『雷神』イスクラ・ジシュカ・プロコノフは王イスクラに忠誠を誓っている)
プレイアーヒル城塞はイール教リース派の唯一にして最大の拠点として今もあり続けている。
特産品は岩塩と木材と聖なる粉(リース派秘伝の爆薬)。
現在では丘には王イスクラの名のもとに建設されたイール教リース派の大聖堂が建っている。
プレイアーヒルはリース派の信徒達を中核とする『祈りヶ丘に建つリース聖堂を守護する兄弟姉妹達』通称『ガルシャ聖堂騎士団』が領有し、守りについている。
聖堂騎士団のトップ(騎士総長)は『雷神』と異名を取る隻眼の老将イスクラ・ジシュカ・プロコノフ。
ジシュカはガルシャ王国の侯爵位(プレア侯爵)も持つ。
領主・統治者 ガルシャの雷神ジシュカ(主君 ガルシャ王イスクラ)
〇4 星降る都市ミーティア・スノウ
ガルシャ王国内の北西の端部にある鉱山都市。
ミーティア州州都。
付近の山脈からは霊鉄鉱石が豊富に取れ、また一部からはミーティア鉄鉱石と呼ばれる特に上質な霊鉄鉱石が取れる。
その為、鉱石の採掘が盛ん。
イール教リース派の『聖なる粉』が採掘に利用されている為、日中は爆音がよく轟いている。
採掘された霊鉄鉱石は河川を用いて船によって南の河口の大都市ルアノール・ノヴァまで運ばれ、精錬されている。
ガルシャ王イスクラに仕えている騎士伯バーツラフが代官として統治している。
騎士伯はヴェルギナ帝国由来のトラシア文化圏に見られる爵位で、金銭で仕える領地無しの騎士と、旧来の領地持ちの騎士とを区別する為に設けられた。
騎士伯は後者の領地持ちの騎士を指す。
バーツラフは代官としてミーティア・スノウに駐屯しているが、彼自身が領主である町や村がミーティア州には幾つかある。
領主 ガルシャ王イスクラ(主君 皇帝アテーナニカ)
統治者 騎士伯バーツラフ(主君 ガルシャ王イスクラ)
〇5 太陽の森砦ボスキ・デル・ソル
ガルシャ王国の南東国境を守る大要塞にしてボスキ州の州都である城塞都市。
フェニキシア王国との国境であるガラエキア山脈を睨むように建てられた。
山脈に囲まれた大盆地国家であるガルシャ王国に陸路で大軍で入るには北東のプレイアーヒルから入るか、東南のボスキ・デル・ソルから入るかするしかない。
ソルは東南を塞ぐ、ガルシャ王国の守りの要である一大拠点。
産業としては樹木が多く木材資源が豊かな為、製材業及び木材を用いた燃料の精製が盛ん。
とりわけフェニキス樹と呼ばれる、呪術的特性を帯びさせやすい木材が高値で取引されている。
フェニキス樹からは太陽炭と呼ばれる霊力を帯びた木炭も作られていて、これは産み出す火力が高く鍛冶師には重宝されている。
山脈から湧き出ている水源を利用して、水堀と運河がボスキ・デル・ソルの周囲には張り巡らされており、それらは西南の大河と接続している。
ボスキ・デル・ソルで生産された木材や炭は水運を利用して運搬され、西の皇都ルアノール・ノヴァへと運び込まれている。
逆にルアノール・ノヴァからは食料等が運び込まれている。
ボスキ・デル・ソル含め、ボスキ州の食料自給率は高くない(西から安い食料が大量に運び込まれて来る為、農業が発展していない)。
次期ガルシャ王と目されているボスキ公爵ルカ・ウェベン・オノグリアが領有している。
セリアンスロープ(半獣人)のルカはガルシャ王イスクラの孫である。父親は流行り病で早くに亡くしている。
領主・統治者 ボスキ公爵ルカ(主君 ガルシャ王イスクラ)