横山池の水鳥

横山池の水鳥から

私には普段からからカメラを持ち歩いて目についたものを写真撮影する趣味があります。まだ若いころ銀塩カメラしかなかった時代らの趣味だが普段の風景を記録しだしたのはデジタルカメラが登場してからのこと。

そんなデジタルカメラを持って、定年になる数年前から11月が来ると晴天の日には頻繁に椋本にある横山池まで撮影に行くようになりました。

池に来る冬の渡り鳥を写すためで、家から池までは直線距離で約1.7km 犬を連れて早足で歩けば30分程で池の北端につきます。

横山池の朝

池の西南には経ヶ峰から笠取山・青山高原へと続く布引山地が広がる

横山池の中央堰堤。池を南北を分ける堰堤が写真中央に在る


横山池は椋本地区の農地を灌漑するため池で芸濃町史によれば、既に元文五年 (1740) には古いため池の存在が記載されていましたが現在見るような大きな池となったのは文久二年 椋本の豪農 駒田五良八貞清 の尽力によって横山新池開かれてからです。

これは安濃川上流 河内村梅ケ谷の分水起点より忍田地区に展開する灌漑用水路と結び池の南西端から取水する大事業で、新池の完成以前には椋本・萩野・岡本・雲林院・忍田五ヶ村が日照りの度に雀頭(錫杖ヶ岳)で雨乞いして水を祈願していたことが記載されています。

池の南北は約700m 東西は約200m と大きく南端から300m当たりに堰堤が在って南北2つの池に分かれています。

池の西側の岸辺は一面湿性植物と水辺に生える柳・榛木などの低木林で覆われており、渡ってくる水鳥たちに休息できる水面と人に見られない快適な住まいを提供します。

もう20年以上も毎年何回かは覗きに行きますが、近年は望遠撮影の手頃な機材が揃ったこともあって頻繁に訪れるようになりました。でも渡ってくる鳥の数は年によって異なり、昨年の冬はなぜか鳥の数が少なくて、数回通っただけで諦めてしまいました。 

真鴨の群れに混じって茶色い頭の星羽白、スマートな尾長鴨、小振りな小鴨

そんな去年とはうってかわり今年は渡り鳥の数が多くその種類も増えました。この池では過去にあまり見たことがないオナガガモやオシドリの姿も見受けられるし、毎年多くても数羽で群れているミコアイサが10数羽の群れで見られるのも私には新鮮な驚きでした。

水際の低木と挺水植物の陰にたくさんの鴛鴦が潜んでいるが臆病で湖面に出てこない

もっとも北から渡ってくる鳥の数が増えたと云うよりは、悲しい想像ですが昨年まで他の池に渡っていたものが、其処の環境が悪化したためこちらに鞍替えしたのではないかと思うのですが・・

湖面の上を旋回する仔鴨の群れ。彼らは一度飛び立つと何度も湖面を旋回する

人影に驚いて岸辺から飛び立ち湖面の中程に移動する真鴨。中に仔鴨や星羽白も交じる


この横山池に限らず、私にとってカメラを提げて散歩しながらその時々に出会う光景をカメラに収めてゆくのは、日々の生活の記録でもあり時に予期しない対象との出会いで思わぬ楽しみを与えてくれる素晴らしい娯楽の一つになっています。

「ねこの散歩道・動物こよみ・林川原の動物・冬」にも横山池の水鳥を多数載せてあります。興味があれば見てください。


カメラの楽しみへ  次のページへ 

ねこの散歩道・動物こよみへ