望遠撮影・天体望遠鏡

望遠撮影・天体望遠鏡

望遠撮影として、鴨や翡翠のように静止撮影が比較的楽な対象に対しては、先にも述べたように望遠レンズとして天体望遠鏡の蛍石対物レンズを用いてミラーレス機に直接焦点させた超望遠を用いることができます。

解像度が高い対物レンズを使い、強固な三脚を用いて高速シャッターが切れる条件であれば1000mm以上の超望遠撮影を簡単に実現できます。撮像センサーには倒立像が写りますがカメラが反転してモニターやファインダーは正立像となります。

一方望遠鏡のファインダーや転倒ミラーでモニターする画像は倒立像となり被写体を捕捉する際、鏡筒の動きと画像が反対になりますからスムーズに対象を捉えるには多少の慣れが要ります。

また鏡筒の僅かな振動でも、被写体は大きくぶれますから、カメラに超望遠レンズに対応した高性能のカメラ内手振れ補正機能が備わっている機種が望ましいですが、三脚にはウエイトを吊り下げ、鏡筒の固定にもしっかりした架台を用いれば、手振れ補正に頼らずとも撮影枚数を増やして、その中からブレのない綺麗な画像を選ぶ一般的な超望遠レンズの撮影法で対応できます。

VixenのED80Sfを用いた直接焦点撮影システム。口径80mm 焦点距離600mm f=7.5 マイクロフォーサーズ機では約1200mmの望遠となる

レコンを噛ますと更に倍率が上がるが絵は暗くなり撮影条件も厳しくなる

当然マニュアルフォーカスとなるので拡大ライブビューを用いてピントを取りますが、流石に1500mm以上になると被写体の僅かな動きでもフォーカスが甘くなり撮影ロスは多くなります。


しかし超望遠の効果は圧倒的なため、手元の望遠レンズ(家にあるのは400mm迄)で届かない場合テントと重い機材を持ち出して腰を据えた撮影を行うことも稀にありました。ED80Sfによる望遠撮影の例を幾つか下に上げておきます。

2013.08.03 自宅前の中ノ川堰堤に来た翡翠。彼らも臆病で人影を見るとすぐ逃げてしまう。

2013.12.4 横山池に来たオカヨシガモ。横山池では尾長鴨、緋鳥鴨などと共にごく少数派

2013.12.29 横山池のミコアイサ。他の鴨より臆病で人影に気づけば100m以内に近づくことはまずない

上の写真の最後のタイムスタンプは2013.年の12月で横山池に来る冬の渡り鳥をたくさん写しましたが、私はこれ以降400mm以上の大型望遠レンズを持ち出すことはまずなくなりました。その理由が次に述べるコンパクト超望遠ズームカメラの登場です。