マクロ撮影 早春の野草

マクロ撮影 早春の野草 ( Spring Ephemeral

厳しい冬が終わり、雪をかぶっていた鈴鹿の山も3月を迎えるころから山道には様々な花が登山者を楽しませてくれるようになります。

ことに藤原岳や御池岳など石灰岩の山には節分草・福寿草・三角草・一輪草・二輪草などの好石灰植物群集とよぶ独特の野草の一群が花をつけるようになり早春の妖精 ( Spring Ephemeral ) と呼ばれ女性の登山者達にもてはやされます。

早春の妖精  節分草。とてもかわいい花、マクロで大きく写っているが花径2cm程の小花で気をつけていないと簡単に踏みつけてしまう。名前のように節分に咲く訳でもなく、鈴鹿北部の山では3月10日から15日頃が盛期か

元旦の寄せ植えで馴染みの福寿草も鈴鹿の山での花期は3月~4月。鈴鹿北部の山地に多く藤原岳の自生地が有名だが南部の入道ヶ岳でも見られる

節分草や福寿草と共に三月初めには開花し始める三角草。花色や形の変化が多く一重咲から八重咲まであり雪割草の名で園芸植物としても親しまれている

可愛く清楚な一人静。名前とは裏腹に一株に幾つも花をつけていることがほとんどです

二輪草。花色は純白だが僅かに桃色がかる個体もあって美しい。節分草など早春の先駆的植物群の花期よりは少し遅れて咲き始める。

菊咲一華  イチゲの仲間も二輪草とほぼ同じころに開花するが、近年では大きな株は殆どお目にかかれない

春の妖精の代表カタクリ。Wikipediaによると開花までに8~9年もかかるという。自生地はコグルミ谷上部のカタクリ峠が有名だがこちらも近年個体数が激減している模様

美濃小貝母 ( ミノコバイモ ) クロユリなどと同じユリ科の花だがとても小さく気づかずに見過ごすことも多い。好石灰植物群集でもないが、雑木の茂る同じような環境にみられる

雄花と雌花をもつ黄連 ( セリバオウレン ) 根は漢方薬として用いられる

梅花黄連  黄連の仲間で梅の花そっくりの清楚な5弁花をつける。これも好石灰植物群集ではなく低木の茂る花崗岩尾根にある自生地で撮影

最後の3枚  上からハナネコノメ・カテンソウ・ヤマルリソウ どれも目立たないけれど早春の山道で密やかに咲く

その他にも早春の山野を彩る草花は沢山ありますが、限がないのでこの辺りでやめておきます。毎年春の訪れを待って知人と共に鈴鹿の山へ出かけては野草の姿を写していますが、いつも何かしら新しい発見や出会いがあって楽しみが尽きず生きる幸せをかみしめます。