政府や労働組合、さらには教会、大学、学校、病院、NPO、慈善団体、職業別団体、業界団体などの公的機関も、企業と同じように企業家としてイノベーションを行わなければならない。
しかし公的機関がイノベーションを行うことは、最も官僚的な企業と比べてさえはるかに難しい。既存の事業が企業の場合よりさらに大きな障害となる。
似た例が、企業内の公的機関ともいうべき企業のスタッフ部門である。スタッフ部門は自らの王国を築くことに長けている。常により多くの同じ種類のことを行おうとする。すでに行っていることを止めることに抵抗する。自らの地位を確立したスタッフ部門があえてイノベーションを行うことはほとんどない。(p207)
第14章は公的機関でのイノベーションについて述べられています。
ここでは、上記のように政府機関だけでなく、さまざまな団体を対象としています。商品やサービスの提供を受けた顧客から直接対価を受け取る企業とは異なり、税金や会費、保険などから支払いを受けるという形態を取っている団体です。中小企業組合や町内会なども該当するでしょう。
また、「企業内スタッフ部門」も出てきますが、これは、総務部、経理部、人事部、情報システム部など、仕事の相手方が社内の人たちであるような部門を想定すると良いと思います。
「公平」「継続性」「官僚的」「硬直」「融通が利かない」「変化を嫌う」と言うようなキーワードがイメージされます。
変化することが必定である社会の中にあって公的機関が変化しないということは社会の発展を阻害する要因にもなるので、あえて1章を割いて述べたのでしょう。
Public-service institutions such as government agencies, labor unions, churches, universities, and schools, hospitals, community and charitable organizations, professional and trade associations and the like, need to be entrepreneurial and innovative fully as much as any business does.
Yet public-service institutions find it far more difficult to innovate than even the most “bureaucratic” company. The “existing” seems to be even more of an obstacle.
The best proof of this are the internal staff services in businesses, which are, in effect, the “public-service institutions” within business corporations. They are good at building empires—and they always want to do more of the same. They resist abandoning anything they are doing. But they rarely innovate once they have been established.
2014/4/24