企業家として成功する者は、女神の口づけやアイディアのひらめきを待ってはいない。彼らは仕事をする。大穴は狙わない。大金持ち間違いなしというアイディアをもとに事業を起こす企業家、特に急ぎすぎる企業家は、失敗を運命付けられている。
企業家として成功する者は、価値と満足を創造し素材を資源に変えることによって社会に貢献する。しかもその目指すものは大きい。
この新しいものを生み出す機会となるものが変化である。イノベーションとは意識的かつ組織的に変化を探すことである。
通常それらの変化は、既に起こった変化や起こりつつある変化である。イノベーションの中には、それ自体が大きな変化であるというものもある。しかし実際には、成功したイノベーションのほとんどが平凡である。単に変化を利用したものにすぎない。
したがってイノベーションの体系とは、具体的、処方的な体系である。すなわちそれは、変化に関わる方法論、企業家的な機会を提供してくれる典型的な変化を体系的に調べるための方法論である。(p14)
「企業家として成功する者は」という言い方をしているので、経営者だけに関する記述のように感じますが、「意識的かつ組織的に変化を探す」ためには、組織に属する皆が、組織の外の世界でどんな変化があるのか見続けている必要があります。
ドラッカーは、成果は組織の外にあるという言い方を何度もしていますが、成果を確認すると同時に変化を感じ取る目的を持って、組織の外に出て行くべきということだと思います。
Systematic innovation therefore consists in the purposeful and organized search for changes.
The discipline of innovation (and it is the knowledge base of entrepreneurship) is a diagnostic discipline: a systematic examination of the areas of change that typically offer entrepreneurial opportunities.
2014/2/20