1800年頃、フランスの経済学者J・B・セイは「企業家は、経済的な資源を生産性が低いところから高いところへ、収益が小さなところから大きなところへ移す」と言った。しかしセイが「企業家(entrepreneur)」なる言葉を作って以来、いまだに企業家と企業家精神の定義は確立していない。
企業家はリスクを冒す。だが経済活動に携わる者は誰でもリスクを冒す。なぜならば、経済活動の本質は現在の資源を将来の期待のために使うこと、すなわち不確実性とリスクにあるからである。
意思決定の本質は不確実性にある。意思決定を行うことのできる人ならば、学ぶことによって、企業家的に行動することも、企業家となることもできる。企業家精神とは気質ではなく行動である。しかもその基礎となるのは、勘ではなく、原理であり、方法である。(p2)
今の日本で仕事を行っている人ならば、ほとんどの人は何らかの経済活動に携わっているといえると思います。
仕事の中で将来に向かって何かを意思決定するという場面は、今日のスケジュールを決めるというような小さなことから、事業の中期計画を作るというような大きなものまで、日常的に起きています。
上記で「意思決定を行う人なら企業家になれる」と述べているように、一部のベンチャー企業の社長だけではなく、働く人の大多数が企業家になれるとし、行動によって企業家精神を表すべしと言っているのです。
2014/2/15