この戦略の条件として第一にいえることは、新しい産業、市場、傾向が現れたならば、できるだけ早く専門技術による機会を体系的に探さなければならないということである。そのための専門技術を開発する時間が必要だからである。
第二にいえることは、独自かつ異質の技術を持たなければならないということである。
第三にいえることは、たえずその技術の向上に努めなければならないということである。常に一歩先んじなければならない。まさに自らの手によって自らを陳腐化していかなければならない。(p289)
専門技術戦略は、特定の分野でほかの企業が進出を諦めるほど突出した技術やサービスを持ち続けなければなりませんから、上記のような条件を満たす必要があります。
本文中では、同時にこの戦略の限界についても述べられています。
第一に、支配的地位を維持するためには活動領域は狭くならざるを得ないこと。第二に、自らの製品やサービスは他の企業にとっての部品なので、その成長は他人に依存しなければならないこと。さらに第三として、専門技術だったものが一般化してしまい、専門技術でなくなってしまう危険です。
こういった限界点を常に認識しつつ、自らの強みを生かして先鋭的に専門技術を磨き続けるということで、成功への道が見えてくるのでしょう。
専門技術戦略は「新しい技術、産業、市場において」機会とリスクの比が最も有利になる戦略だと、ドラッカーは述べています。
The first point, therefore, is that in the early stages of a new industry, a new market, or a new major trend, there is the opportunity to search systematically for the specialty skill opportunity—and then there is usually time to develop a unique skill.
The second point is that the specialty skill niche does require a skill that is both unique and different.
Thirdly, a business occupying a specialty skill niche must constantly work on improving its own skill. It has to stay ahead. Indeed, it has to make itself constantly obsolete.
2014/5/18