まず行うべきは、予期せぬ成功が必ず目に留まる仕組み、注意を引く仕組みをつくることである。マネジメントが手にし検討すべき情報の中に適切に位置づけることである。マネジメントたる者は次のように問わなければならない。
(1)これを機会として利用することは、我が社にとっていかなる意味があるか。
(2)その行き着く先はどこか。
(3)そのためには何を行わなければならないか。
(4)それによって仕事の仕方はいかに変わるか。
したがって予期せぬ成功を検討するために、特別の時間を割かなければならない。
予期せぬ成功は機会である。しかもそれは要求でもある。正面から取り上げられることを要求する。間に合わせではなく優秀な人材が取り組むことを要求する。(p30)
人は努力したことや一生懸命にやったことには、無意識のうちに成果が出てほしいと望みます。企業で言えば、コストをかけることと売上げが上がることには相関があると思うのもいわば当然と考えられます。
しかし、ドラッカーはコストと売上げには必ずしも相関はない、つまり努力したからといって結果がついてくるとは限らないから気をつけろといいます。
そして予期せぬ成功とは、コストをかけていないのに成果が出ているという事象です。これを「たまたまうまくいっただけで、続くはずがない。努力していないのに結果が出るわけがない。」と言って予期せぬ成功を無視し続ければ、イノベーションを行うどころか、その存在も危うくなるという例を挙げてきたわけです。
そのため、上記のように「たまたま」うまくいった事象をマネジメントの目の止まるようにし、マネジメントはそれを正面から取り上げて、その意味を考えよとアドバイスしたものです。
The first thing is to ensure that the unexpected is being seen; indeed, that it clamors for attention. It must be properly featured in the information management obtains and studies.
Managements must look at every unexpected success with the questions: (1) What would it mean to us if we exploited it? (2) Where could it lead us? (3) What would we have to do to convert it into an opportunity? And (4) How do we go about it?
This means, first, that managements need to set aside specific time in which to discuss unexpected successes.
The unexpected success is an opportunity, but it makes demands. It demands to be taken seriously. It demands to be staffed with the ablest people available, rather than with whoever we can spare.
2014/2/28