第三に、知識によるイノベーション、特に科学や技術の知識によるイノベーションに成功するには、マネジメントを学び実践する必要がある。
リスクが大きいだけに、マネジメントと財務についての先見性を持ち、市場中心、市場志向であることが大きな意味をもつ、しかるに今日、知識によるイノベーション、特にハイテク分野のイノベーションでは、ほとんどマネジメントが行われていない。
しかしハイテクを含め知識によるイノベーションにおいてもマネジメントを意識的に行うことによってリスクを大幅に小さくできることを教えてくれる企業は多い。スイスの製薬会社ホフマン・ラロッシュ、ヒューレット・パッカード、インテルがよい例である。(p135)
「綿密な分析」「明確な戦略」に続く第三の条件は、「マネジメント」です。
新しい知識を得た、新しい技術を開発した、というとき、技術者自身はもっと知識や技術を洗練させようとしたくなるものです。
しかしイノベーションを成功させようとするなら、その知識・技術は顧客が価値ありと考えるものか、顧客にどうやって到達するか、それはわれわれの価値観と相違ないかなどを考え、それを実行していくというマネジメントが必要になるということです。
新しい知識によるイノベーションは、章の最初に述べられているように「気まぐれであってマネジメントが難しい」からこそ、その難しいマネジメントを実践できた者だけが成功を手にすることができるのです。
Finally, the knowledge-based innovator—and especially the one whose innovation is based on scientific or technological knowledge—needs to learn and to practice entrepreneurial management.
Its risks are high, thus putting a much higher premium on foresight, both financial and managerial, and on being market-focused and market-driven. Yet knowledge-based, and especially high-tech, innovation tends to have little entrepreneurial management.
In fact, there are enough companies around today to show that the risk in knowledge-based innovation, including high tech, can be substantially reduced if entrepreneurial management is conscientiously applied. Hoffmann-LaRoche, the Swiss pharmaceutical company, is one example; Hewlett-Packard is another, and so is Intel.
2014/4/2