既存の企業、公的機関、ベンチャーのそれぞれについて、企業家としてのマネジメントを実践するための具体的な手引きが必要である。何をなすべきか、何に気をつけるべきか、何を避けるべきかについての手引きである。
企業は変化していかなければならない。この壮大な転換期において、社会の安定を確実なものとするには、既存の企業が生き残り繁栄する術を学ぶ必要がある。
公的機関は、まさに公的機関であるがゆえに特有の障害と課題に直面する。したがって公的機関における企業家精神については、既存の企業とは別に論じなければならない。
ベンチャーのほとんど、特にハイテクのベンチャーは、企業家としてのマネジメントについて多くを学ばなければならない。単に生き残るためにもそれらを学ばなければならない。(p166)
章立てを見ると明らかですが、第12章から第15章までは第二部「企業家精神(The practice of entrepreneurship)」と題して論じられています。
この第12章は導入部分で、「既存の企業」「公的機関」「ベンチャー」の三つに分けて論じる理由が説明されています。
社会には安定感と安心感が必要ですが、変化することもまた必然です。既存の企業が社会の変化に対応できず、次々と倒産していくような社会は避けなければなりません。そのため、既存の企業にはイノベーションを行うこと(企業家として成功する)を学んでもらわなくてはならないので、まずは最初に論じることにしたのだと思います。
また、公的機関には既存のルールを守ることを期待されているという側面があり、それゆえに社会の変化に対して後手に回る、さらには社会の変化を認めないという場面すらあると思います。しかしそれでも社会は変化していくので、公的機関にも企業家精神を持って活動してもらいたいというドラッカーの願いが込められているのだと思います。
For each of these three:• the existing business,• the public-service institution,• the new venture a specific guide to the practice of entrepreneurship must be developed. What does each have to do? What does each have to watch for? And what had each better avoid doing?
Existing businesses will need to change, and change greatly in any event.In order to impart stability and leadership in a transition of this magnitude, existing businesses will have to learn how to survive, indeed, how to prosper.
Because they are public-service institutions, they face specific different obstacles and challenges. Entrepreneurship in the public-service institution thus needs to be discussed separately.
Most of new ventures, especially the high-tech ones, have a great deal to learn about entrepreneurial management and will have to learn it if they are to survive.
2014/4/11