レーゲン語の造語力

 レーゲン語は非常に造語力が高い。このページでは、なぜレーゲン語が高い造語力を持つか、ということや造語方法について述べる。

レーゲン語の単語の仕組み

 レーゲン語の単語は主に3つの作り方がある。

1.複合語

 複合語は、単に単語同士を組み合わせるだけでできる簡便な造語法であり、かつレーゲン語の単語の中でもかなり大きな割合を占める造語法である。辞書の語源欄では「+」という記号で表す。イメージとしては日本語の漢字を組み合わせて新語を造る感覚に近い。

 利点は造語が容易であることと、単語の成り立ちが簡単に分かることである。例えば、jeebralsjembasax(国際的な)は、 jeebrals(国を) + jembas(超える) + ax(性質の)という成り立ちであり、この3つの語を知っていれば初見でも理解できるだろう。英語では、専門用語はラテン語やギリシャ語からそのまま借りたものを使っているので、一般庶民には全く理解できないものが多いが、レーゲン語では複合語で造語されているので庶民でも理解できるものが多い。

  欠点は単語が長くなりがちであることである。日本語には漢字があるのでせいぜい4文字くらいで済むが、レーゲン語は表音文字を使うので複雑な語になると文字数が30を超すこともある。hornjiix(駅)や parrfatketgarfxiitkenx(速度制限)などならまだ良い方で、専門用語の cainaxqaltxaveintuirseitdaiapaltkenx (溶融塩電解)やら haitesspfertentesalvonteitsfairraunnexket(生化学的酸素要求量)とかになるともう長すぎて意味が分からなくなる。

 最悪なのは法律・条約の類であり、例を挙げると、Istempaldikilirdkeilnnoesqoixolambilzavkenxekonertivaforeankenxekdeqenulistxiitistdinsisowas (対人類核兵器開発実験全面禁止条約)というものがある。あなたは何文字あるか数えられるだろうか。

2. 直接借用

 外国語からそのまま単語を借りてくることである。場合によっては、一部レーゲン語的に改造されることもある。主に学術的な高級語彙で見られる。日本語でのカタカナ語のようなものと捉えていただければよい。聞き慣れていないので、新鮮味が有る点が特徴。

 借用元の言語で最も大きな割合を占めるのはタゴマス語である。これはタゴマスが技術的・哲学的に発達した国家だったからである。それ以外では、軍事用語はラシェント語、新大陸の用語はバレデー語由来の直接借用が多い。

 利点は特にない。強いて言えば、レーゲン語話者が外国語を学ぶときに参考になる程度だろう。

 欠点は、初めて単語を見たときに意味が分からないこと。レーゲン語の語彙を使っていない単語なので当然のことである。

 直接借用の例では、kruldofot(文化, タゴマス語由来)や jenqaat(人民, イェッタリン語由来)、zavam(ジャガイモ, 紋令語「齊萬(zan-vam)」のなまったバレデー語"zavam"より)などがある。

3. 翻訳借用

 外国語を本来語の語彙で翻訳して借用すること。これは和製漢語で非常に多い。「科学」「社会」「芸術」「共和国」「哲学」「理性」……これらは全て、文明開化後に入ってきた外国語を、漢字を使って翻訳借用した単語である。

 利点はわかりやすいことである。英語の republic の直接借用である「リパブリック」よりも「共和国」のほうがすぐに意味を推測できるのと同じである。

 欠点は複合語と同じく、単語が長くなることがあること。また、直訳だとやや意味が分かりにくくなる単語が発生すること。

 例には、sfairraun(酸素、ラシェント語 "fenjarang" 由来)や jemforkeistgabenjin(テレビ、イェッタリン語 "jemfookesqgabenjut" 由来)、daipfyudbad(認知症、タゴマス語 "isviomnavett" 由来)などがある。

4. 鞄語

 複数の単語を合わせて、それを縮めること。主に現代になって造られた単語に見られる。ポップな響きがある。場合によっては、侮蔑の意味合いが含まれることもある。

 利点は単語を短くしやすいこと、また、軽い感じを与えられることである。

 例には、arjidivai(ボーカロイド、arjin(歌) + jidivai(ロボット))などがある。