感情詞の位置の推移

注意:このページでは現実世界における感情詞の位置の推移を解説しています。

 感情詞とは、もともとレーゲン語に日本語的な情緒を取り入れるために導入された品詞である。製作者はかねがね、英語は簡便ではあるが、感情表現の点では日本語よりも劣ると考えていた。例えば、日本語で「わたくしはマリオでございます」と、「俺はマリオだぜ」と、「ボクはマリオだよ」の3つでは受け取る印象が全く異なる。しかしこれを英語で訳すと全て「I am Mario.」になってしまう。これでは味気ない。

 製作者は人工言語アルカの影響を受けてレーゲン語の本格的製作を開始したため、当然ながらそれの文法的な考えなどが反映されている。アルカには純詞という品詞が存在し、これには感情を表す働きのあるものが多い。よって純詞のような品詞を作ってみようと考えた。しかし、純詞には接続詞の働きをするもの等もあるので、この概念をそのまま取り入れることは適切ではない。

 ここで、元々の目的に戻る。純詞(のような品詞)がなぜレーゲン語に必要とされているのか、ということを考えると、感情表現を豊かにするためである。ならば接続詞的はたらきをする純詞などはレーゲン語にはいらない。話者の感情を表すことのみを役割とする品詞を作ればよいと考えついた。私はこれを「感情詞」と名付け、レーゲン語の品詞の一つとして組み込むこととした。おそらく2019年の9月ごろであったと思う。


 こうして誕生した感情詞であるが、当時の感情詞の位置は特に定まっていなかった。例えば、「これは時計です。」はSai ras tiis sonte. でも、Sai tiis sonte ras. でも、Ras sai tis sonte. でも良かったということだ。当時の感情詞は動詞の修飾のみに使うものであったから、これでも問題なかった。ただし、時間が経つにつれて感情詞は副詞の一部のような扱いとなったため、動詞に後置するのが基本的な形となった。

 しかし、感情詞が名詞の修飾にも使われ出すと、困ったことが起きるようになった。最初、名詞の修飾の際は形容詞と同じく前置する方式を採っていた。例えば、「お名前」は ras aik である。この調子で「これがその時計でございます。」を Sai tiis ras ze sonte. とすると、3通りの解釈ができてしまう。1つが、「これがその時計でございます。(wisのみ修飾)」、2つが、「これがその御時計だ。(sonteのみ修飾)」、3つが、「これがその御時計でございます。(wisとsonteを両方修飾)」である。これではどの品詞を修飾したいのかが分からなくなってしまう。そこで、2020年6月中旬に感情詞の用法を変更することとした。

 その結果、感情詞は全ての品詞において後置されるようになった。先ほどの例文で言うと、Sai tiis ras ze sonte. である。また、誤解の防止のため、名詞を修飾する際は感情詞の語頭に接頭辞il-をつけることも決定された。この新規則で先ほどの解釈文全てを書くと、それぞれ Sai tiis ras ze sonte. (これがその時計でございます。)、Sai tiis ze sonte ilras. (これがその御時計だ。)、Sai tiis ras ze sonte ilras. (これがその御時計でございます。)となり、これらの区別は容易である。

 こうして、感情詞の位置に関する問題は解決された。