HTS単語について

 HTS単語(Hisenaktetsolkenis)とは、太球世界にない事柄を示す単語である。分かりやすく言うと、我々地球人類の住む世界にしかないもの。例えば、日本、ドイツ、ヒマラヤなどの国名・地名や、地球、太陽といった惑星の名前などである。当然、これらは太球世界では認知されていない単語だが、レーゲン語で地球のことを話すことはよくあるので、地球世界の事柄を表す単語もレーゲン語の語彙には必要である。

 このページでは、HTS単語の造語法や、その注意点になどについて述べる。

造語法

地名・国名篇

 例えば、日本という国名をレーゲン語で造語するとしよう。この地球では、日本は各言語で様々な呼び方をされている。例を挙げると、日本(にほん, にっぽん 日本語)、大和(やまと, 日本語)、扶桑(ふそう, 日本語)、和(わ 日本語)、倭(わ 日本語)、日本(リーベン 北京語)、日本/일본 (イルボン 朝鮮語)、Japan(ジャパン/ヤーパン 英語・スペイン語・ドイツ語・デンマーク語など多数)、Japon(ジャポン フランス語)、Япония(ヤポニア ロシア語)、जापान (ジャパーン ヒンディー語)、اليابان(アリャバン アラビア語)、Nhật Bản (ニャットバン ベトナム語)などがある。

 これを見ると分かるとおり、人間が付けた名前というものは、同じものを示していても実に多様な呼び方をされる。しかし、HTS単語でこれらを全て「日本」を示す単語と認めるわけにはいかない。使用者が混乱するためである。

 では、日本はレーゲン語でどう呼ぶのか。その答えは驚くほど単純で、Nihon([nɪhon] ɪにアクセント)である。これは何故かというと、日本(にほん)は、日本国の政府の公式名称であるため、かつ、日本で実質的公用語の地位を占める日本語により、日本が「にほん」と呼ばれるためである。

 このように、地名や国名は、その地や国の領土で主に話されている言葉を音写し、造語する。ただし、インドのように、複数の言語が同時に話されている国家あるいは地域では、その国家(地域)の公用語を用いる。公用語が無い場合は、その国家(地域)で話者が最も多い言語を優先する。意訳や地理的条件による造語も可とする。

 どうしても命名に関して爭いが起きかねない外来語(たとえば、「東海(동해, トンヘ)」と「日本海(にほんかい)」)については、全ての言語で表記することをゆるし、各人が自由にいずれかの名称を利用できるようにするか、そもそもレーゲン語で1からつくることにしている。たとえば、東海と日本海は、それぞれTonsanxとNihonsanxなどとする。中立的名称は、Tamvaziambammsanx(東アジアの間の海)。

人名篇

 人名の造語も地名篇に準拠するが、人名は地名とは少し異なる点がある。それは、同じ語源の人名が、各国語で形を、発音を変えて用いられていると言うことである。

 例を挙げると、Charles(チャールズ(英)、シャルル(仏)、シャルレス(葡))である。こういった人名は、その人物が自称する発音で音写する。先ほどの例を用いれば、チャールズはCarlz、シャルルはXarhl、シャルレスはXarlesとなる。

天体・星座の名

 地球や太陽、月などの惑星は、人間が所有しているわけではないので、地名や人名のような命名ができない。したがって、レーゲン語で独自に命名する必要がある。星座は天体の集まりであり、人間の所有物ではないが、人が形を考え出したものであるから、88星座はラテン語名に則ってレーゲン語の語彙を用いて命名することとした。

太陽系

・太陽:Xaiklan (「光り輝く星」の意)

・水星:Ziaklan (「近くにある星」の意。太陽系の惑星の中で最も太陽に近いところを公転していることから)

・金星:Okegsaktet (「地獄の星」の意。強酸の雲や数百度にものぼる地表温度など、惑星環境が地獄のようであることから)

・地球:Hisenaktet (「故郷の星」の意)

・火星:Jeisxekaktet (「死の赤の星」の意。公転軌道が楕円であるために年によって明るさが変わることが、「熒惑」として不吉に受け止められていたことを踏まえている)

・木星:Hoitaktet (「目の星」の意。表面に浮かぶ大赤斑や白斑がまるで目のように見えることから)

・土星:Qaonaktet (「輪の星」の意。理由は言わずもがな)

・天王星:Bftakvaixaktet (「転ばされた星」の意味。自転軸が公転軸に対してほとんど90度傾いていることから)

・海王星:Wainwandaktet (「深い青色の星」の意味。メタンによって表面が青く見えることから)

・エッジワース・カイパーベルト(太陽系外縁天体):Xaiklanam Ixenqaonserinmonq (「太陽系の端の環状天体群」の意)

・オールトの雲:Halstdaix Serinmonqdig (「最も外にある天体の雲」の意)