未来のレーゲン語

 未来のレーゲン語はどのようになるだろうか? 予想してみよう。ここでは150年くらい後のレーゲン語(口語)を考える。それほど厳密ではないことに留意して読んでいただきたい。

例文

 例文を載せ、どのような文法・語彙の変化を示しているかを解説する。

私は人間だ。

解説:基本的な代名詞は変化しない。機能語の母音は基本的に弱化して /ə/ や /ɐ/ となる(強調した発音では弱化しない)。後ろに母音がつかないLが、暗いL /ɫ/となる。

彼はあのレストランでベルドーをカイロカナスと食べた。

解説:格変化語尾や活用語尾が弱化し、i, u, o は /ə/ に一本化し、a は /ɐ/ となる。e はほとんど消える。母音で終わる単語には、子音のみの接尾辞がつくようになる。同じ母音が連続するとき、二番目の母音が弱化する。また、直後に母音が続かない r が母音化する。

 結果として、格変化語尾や活用語尾の多くが同じになり、区別ができなくなる。主に語順や前表詞によって格を示すようになる。

鳥が飛ぶ。 

解説:単語中、および語尾のhが消失する。-t, -n, -l で終わる動詞にsで終わる活用語尾がつくと、母音が省略されて-ts, -ns, -ls となる。

それは、彼が壊した機械だ。

解説:tisの直説法三人称単数現在時制無相における活用形である tiis は短母音化して tis と区別できなくなる。lesilが省略できるようになる(英語で、たとえば He is the man whom all people want to meet. のwhomを略せるのと同じ)。アクセントのない a はおおむね/ɐ/に弱化する。