動詞と時制・アスペクト

前回:名詞の格

時制

 レーゲン語には時制が3つあります。過去・現在・未来です。

 未来形は助動詞 ool を前置します。これは次回で詳しく解説します。

 現在形は動詞の語尾で表現します。

 過去形は動詞の語尾で表現します。

 レーゲン語の動詞は人称により活用します。英語では三人称単数形の現在時制に s をつけるだけですが (例:He plays tennis.)、レーゲン語ではすべての人称において動詞が活用します。これを覚えるのは少し大変ですが、頑張ってください。

 なお、上に掲げた表以外の活用をとる動詞もありますが、少数です(このテキストでは原則扱いません)。

アスペクト(相)

 アスペクトという言葉は聞き慣れないものであろうと思います。しかし、これはそれほど難しい概念ではありません。

 たとえば、日本語で「走る」という動作を表現するとき、「走ろうとしている」「走っている途中だ」「ちょうど走り終わった」など、様々な段階があります。この段階を総称するのがアスペクト(相)です。

 レーゲン語の代表的な相は将然相、開始相、継続相、完了相の4つです。ちなみに、進行形は現在形で表し、区別しません。

 将然相は、動作を開始しようとしていることを表し、「~しようとしている」という表現が当てはまります。

 開始相は、動作を開始したことを表し、「~し始めた」という表現が当てはまります。

 継続相は、動作をまだ終えていないことを表し、「まだ~し終わっていない」という表現が当てはまります。

 完了相は、動作をちょうど終えたことを表し、「ちょうど~し終えた」という表現が当てはまります。

 この5つのうち、将然相、開始相、継続相は助動詞、助副詞(次回で詳しく解説)で表し、過去形と完了相を動詞語尾で表します。完了相の変化を覚えるのは、後回しにしてよいでしょう。

 いくつか例を挙げましょう。

①・Tuu gtes berdook. 私はベルドーを作る。※gtes: (~を)つくる(g は黙字) berdoo: ベルドー(スープ料理)

 ・Tuu gtesest berdook. 私はベルドーを作り終わったところだ。

②・Mii datis tereek sau. 彼はキャベツを切る。※dat: (~を)切る teree: キャベツ sau:今

 ・Mii datist tereek sau. 彼はキャベツを切り終わったところだ。

③・Deir haukes pau vintil. 彼らは公園を走る。 ※hauk: 走る pau vintil: 公園を

 ・Deir haukesk pau vintil. 彼らは公園を走り終わってしまった。(過去完了)

補足:法

 言語には法(mood)とよばれるものがあります。法は話者(筆者)の心理を表すもので、レーゲン語には直説法接続法・命令法の3つがあります。

 このページで紹介したのは、直説法の活用です。

 次回は助動詞と助副詞です。