聞こえの良い単語の造り方

 あらかじめ断っておくが、このページは日本語を母語とする人間を対象として書いてある。どんな音がかっこいいかというのは母語によって異なるためである。さらにいえば、音の感じ方は個々人によっても異なるので、このページは私と音の感じ方が似ている人向けである。


 ドイツ語はかっこいい、とよく言われる。「ドイツ語」と Google で検索すると、候補に「ドイツ語 かっこいい」が出てくるほどである。では、何故日本人にとってドイツ語がかっこよく聞こえるのであろうか。考えてみよう。

 まず、抑揚が激しくないことが挙げられる。抑揚が激しいと、特に、抑揚があまりない日本語話者にとっては馬鹿らしく聞こえたり、ヒステリーになっているように聞こえてかっこ悪い。中国語などの声調言語が日本語母語話者にとって可笑しく聞こえるのはこのためである。また、英語も日本語にくらべて抑揚が激しいため、英語と知らずに聞くとやや奇妙に聞こえる。

 つぎに、破裂音が少なく、摩擦音や破擦音、有声音が多いことが挙げられる。例えば、Stein(石)・Schwein(豚)・Eisenbahn(鉄道)・Schwarzwald(黒い森)である。極端な例を挙げれば、gehen(行く) の過去分詞形は gegangen(ゲガンゲン)であり、全て有声音である。また、二重母音の多さもかっこよさを強化しているといえる。例示すると、Freiheit(自由)・Freuden(歓び)・Einstein(アインシュタイン)・Fahrenheit(ファーレンハイト)である。

 あるいは、ドイツ語の由来の外来語が主に医療や化学で使われていることもかっこよさに関与しているかもしれない。例:Energy(エネルギー)・Karte(カルテ)・Vaktin(ワクチン)・Adrenalin(アドレナリン)・Uran(ウラン)・Mangan(マンガン)・Natrium(ナトリウム)

 これらを総合すると、かっこいい響きの単語を作るには、以下のようにすればよいだろう。

・濁音を多くする。

・nを多用する

・チャ行とパ行は使わない。ギャ、キャなどの音も馬鹿らしく聞こえるので避ける。

・アイ、エイ、オイなどの二重母音を多用する。特にアイは良い。

・短母音を使う場合、アとエを使用するとよい。enで終わるとかっこいい。

・シャ行などの摩擦音を多用する。

・子音で終わらせる。母音で終わらせるときはeで終わるとよい。

 レーゲン語の造語の際はこれらを意識して作るようにしている。Leitgaijen という国名は、これらの要素を詰め込んでいる。