なぜアルゴイレレスを作ったか

 アルゴイレレスを全く知らない方は、先にアルゴイレレスのページをご覧になったほうがよいでしょう。

アルゴイレレスの概要

 アルゴイレレス(麗:Argoireres)とは太球に生息する巨大生物の総称である。言ってしまえば、怪獣である。

 その見た目は概ねクマや狼といった大型肉食動物のハイブリッドであり、巨大な牙と赤黒い表皮が特徴である。体長は種により異なるが、おおむね5m~500mほどである。アルゴイレレスの生息域は幅広く、乾燥帯と寒帯、高山帯を除くほとんど全ての地域に、陸海ともに生息する。

 アルゴイレレスとは、レーゲン語で「怒りの神の使者」の意である。ルザーユ教という宗教の聖典に登場する獣を由来として命名された(ちなみに、この獣は、アルゴイレレスがモチーフであるとする説がある)。

 アルゴイレレスは極めて頑丈な生物であり、成体であれば拳銃や小銃弾をほとんどものともせず、鉄筋コンクリートを数十m貫く地中貫通爆弾さえ通さなかった個体も存在する(幼体は小火器で殺害可能)。すなわち、アルゴイレレスを負傷させられる生物はほぼ人間のみであり、ゆえにアルゴイレレスは人間とともに生態系の頂点に位置している。寿命20~25年ほどで、死体はすみやかに劣化する。

 アルゴイレレスは単に図体が大きいだけではなく、ある程度の知能を有する。種によって異なるが、概ねイヌから5歳児程度まで分布する。アルゴイレレスの脳は3つ存在する。1つの主脳と、2つの副脳である。

 たいていのアルゴイレレスは、石臓という臓器を持つ。石臓を持つアルゴイレレスは、危機が迫ったときや恐怖を感じたときなどに、口から阿石と呼ばれる岩石状の物体を、大量に、猛烈な勢いで発射する(阿石投射)。これにより、アルゴイレレスは時に極めて危険な生物となる。自然界では、石臓は他のアルゴイレレスを殺害するときに用いられる。強靭な皮膚を、阿石投射で打ち破るのである。

 アルゴイレレスは時折、人口密集地を襲撃する。その原因ははっきりしないが、食料確保や危険の排除、あるいは好奇心ないし悪意によるとされる。毎年10万~35万人ほどの人間がアルゴイレレスにより死亡している。経済的損害も大きく、飢餓などで死亡した人々も含めれば、アルゴイレレスは世界で最も多くの人間を殺している(1年あたり)という。

 なお、アルゴイレレスが初めて地上に出現したのは、玄暦1604年10月33日午前9時55分である。セケシヤムスのカヤソムという港町に上陸し、そのまま西進。いったん海に帰った後に再び上陸したが、軍の攻撃により死亡した。

アルゴイレレスを作った理由

 蓋し 人工世界とは一種のSFないしファンタジーである。そういった類の作品には、現実に存在しない物事が存在するのが定番である。いくらか例を上げると、

・"中世ヨーロッパ風"作品における魔法やギルド、モンスター。

・宇宙を舞台とする作品における、宇宙船。

・サイバーパンク作品における、生体機械融合技術。

 など。

 人工世界が設定された人工言語にも、架空の要素が存在するものは多い。レーゲン語の舞台である太球にも、何らかの架空の要素を導入することを考えた。

 最初に考えたのは、異常に強化した生物(ロイベルハイテス)である。ロイベルハイテスは後に廃止されたが、まだアーカイブを残している。

 次に考えたのが、巨大生物、すなわちアルゴイレレスである。ゴジラシリーズとパシフィック・リムに触発された。さすがに核兵器を用いないと倒せないような怪獣がわんさかいると困るので、強さは非核兵器でも殺せる程度に抑え、生態系に巨大生物を組み込んだ。怪獣ロマンである!