藤江遼(神奈川大)
他者の状態推測は合意に到達するまでの時間(合意時間)を早めるだろうか.状態推測を考慮した合意形成としてネットワーク上のVoter modelを観測範囲,参照範囲が異なる場合が扱えるよう拡張する.各ノードは他者の状態を模倣するが,観測範囲外は他のノード情報から他者の状態を推測して模倣する.数値計算の結果,参照範囲の拡大は合意時間を短くし,観測範囲の拡大は合意時間を長くすることがわかった.この合意時間の長短はネットワークの構造と観測/参照範囲サイズで決まるノード特徴量のばらつきにより決定されることを示す.