阪上雅昭(京都大学),萩原広道(大阪大学),山本寛樹(インディアナ大学),深田智(京都工芸繊維大学)
人間の発達や行動の変化を自己組織化現象として理解しようとするダイナミックシステム・アプローチが発達心理学の分野で提唱されている.これは物理学で開発された自己組織化や相転移という現象の理解を人間の発達に援用しようとする試みである.本講演では,上のような視点に立ち,ニューラルネットワークによる機械学習の代表的手法である変分オートエンコーダーを活用し,乳幼児の発達の研究者と物理学者が共同でおこなった乳幼児の語彙発達データの解析結果を報告する.英語と中国語の語彙発達データを利用し,(1)潜在空間で表現される発達過程,(2)各語彙の発達過程の中での位置づけを示す数種類の特徴量について英語と中国語の比較を報告する.