中道晶香(京産大),森川雅博(理研)
音楽の演奏波形に広く見られる1/fゆらぎ(ピンクノイズ)を,演奏者間の同期と音響空間の共鳴が生む振幅変調として説明する.確率的蔵本モデルにより,オーケストラの同期と共鳴が波のうなりを形成し1/fゆらぎを生む.一方、ソロ演奏ではホールの固有振動による共鳴が同様の振幅変調を生む.両者の協働を「動的同期(dynamical synchronization)」として統一的に扱い,音楽から自然現象・経済システムまで共通する1/f揺らぎの物理的基盤を議論する.さらにスコアの持つ1/fゆらぎも脳の活動として統一的にとらえる試みを紹介する.